二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』
<第8話 一時の会話>
「フェイト、ちょっと良いかい?」
オレは少し痺れて来た足を解す為に、フェイトに少々隣に移って貰おうと声を掛けた。
「………」
が、返事は返って来なかった。
「フェイト、どうし…」
「………すぅ、すぅ………」
顔を覗き込んでみると、フェイトはスヤスヤと眠っていた。
(…何時の間に寝ていたんだろう?……まあ、フェイトの可愛い寝顔を見ていられるから良しとしようか。)
≪ふふ。ラッキーですね、智哉様。≫
思念通話、念話で離し掛けて来るアイーシア。
(そうだね。これはラッキーだ。少々足がキテるけど。)
≪女の子の寝顔を見ることが出来ると言うのは、やはり恋人同士の特権でしょうね。≫
フェイトの寝顔を拝見出来るのは嬉しかった。
けれど、足の痺れは段々大きくなる一方。
折角気持ち良さそうに寝ているフェイトを起こさないように細心の注意を払いながら、自分の足をマッサージする。
しかし、フェイトを抱えた状態でのマッサージは中々辛いものがあった。
そんな時、ガチャッと言う音とただいま~、と言う声が玄関の方から聞こえて来た。
リビングのドアを開けて入って来たのは、リンディ、クロノ、エイミィの三人だった。
「ただいm……」
再度言いかけたところを、オレはシーッと人差し口に当てながら指を立てて、リンディの言葉を制した。
クロノは不思議な顔を、エイミィはオレの方を見てきてニヤッとしたが、二人はそのまま台所に手を洗いに行った。
「…あらあら、お邪魔だったかしら?」
オレの近くに来て、そう小声でからかって来た。
「いえいえ、お構い無く。」
オレもリンディさんのからかいにノッて答えてみた。
「そうそう、今さっきフェイトさんのバルディッシュとなのはさんのレイジングハートを修理に出して来たの。模擬戦終わった後に、点検も兼ねて。だから、今また彼らが襲撃して来ると二人に対処する力が無いのよ。」
オレのノリを無視したのかは判らないが、リンディさんは話を切り替えた。
「はい、それで?」
オレもリンディさんの話す内容に耳を傾ける。
「そこで、智哉さんが宜しければなんですけど、フェイトさんとなのはさんのデバイスが戻って来るまで二人の護衛をして貰いたいんです。この前のように、リンカーコアを狙っていきなり襲われないためにも。お願い出来ますか?」
オレより少しばかり背が低い事を利用して、瞳をうるうるさせながらの上目遣いで、両手を重ねて猛烈にアタックしてくる。
「それは一向に構わないんですが、一応僕も18歳の大学生な訳で、普段は学校に通わないと不味いんですよ。行きは送って行く事は全然可能なんですが、問題は帰りの方で。小学校と大学では終わる時間が全く違うた…」
リンディさんの必死なお願いに対して、サラッと返すが少々の問題を語ろうとしていたところを表情を一変させて、満面の笑みを浮かべたリンディさんが遮る。
「それなら問題無いわ!私から直接学校に事情を話しておきます。」
「……いや、その程度で学校側が納得する筈は……」
「兎に角!智哉さんはフェイトさんとなのはさんの護衛を引き受けて下さるんですよね!?」
顔をズイッとオレに近づけて、反論は許しませんよ、と言った風な口調で話す。
「…それは僕にとっても光栄な事ですし、何よりフェイトと一緒に居られますしね。…本当にそんな事が可能だったらの話ですが。」
「ふふ。では、智哉さん、明日からお願いしますね。大学の件は心配は要りませんので。」
どうやって話を通すのかは判らないが、例え学長に話をする機会を設けても、たった一人の生徒だけを優遇する訳にいかない事等明らかだろうと思ったオレ。
だが、リンディさんは任せておきなさい、とでも言いたげな表情でオレに了解の確認を取る。
「はい、分かりm………」
そこまで言われたオレは、承認しようとした所で携帯が鳴り響いた。
その音で今の今までスヤスヤと寝ていたフェイトが目を覚ます。
ちなみに、今までの会話はフェイトを起こさない程度の音量で話していたから起きなかったのだ。
「……んんぅぅううん、…智哉…さん…?」
オレの腕の中で伸びをするフェイト。
「ゴメンね、フェイト。ちょっと電話に出て来るから、隣に座って待ってて。」
そう言って、フェイトを隣の椅子に下ろし、オレは廊下に出た。
「…はい、なんだ、洋平か。どうした。……ん?何、明日から球技大会?…ああ、そう言われればそうだったな。分かってるって、心配すんな、しっかり出るさ。んじゃ……」
洋平こと、古河洋平が携帯に電話を掛けてきた。
用件は明日についてで、今日オレは学校に居なかった為、連絡を伝えるためだった。
オレの通う大学では、大学内だけで使われる連絡用のメールアドレスから転送設定を使ってその場に居なくても携帯等、別のメールアドレスがあればそちらに自動的に転送させる事が出来るシステムがある。
そのシステムを使えば、一々連絡を貰わなくとも済む話なのだ。
しかし、オレはとある理由で転送設定をしていない。
その理由とは、自分にとって全く関係の無い連絡事項や注意事項、更には授業で教師に送った課題等までもが転送されて来る事だ。
授業で提出した課題等はとんでもない量が同時に転送されて来るのだが、そこはまだ自分に必要な連絡を受け取れるのだから仕方無い事だと、目を瞑れる。
しかし、その転送が夜中の1時過ぎ、しかも自分が寝ている時に来たらどうだろうか。
ハッキリ言って、安眠妨害もいい所ではないだろうか?
最初は勿論そのような目に遭うとは思ってもいないだろうし、便利な設定だと寧ろ嬉しくもなる。
だが使ってみてこの様だ。
もう二度と利用するもんか、とその被害に遭ってから誓ったのだ。
「智哉さん、……あの、電話中の所なんですけど、ちょっと良いですか?」
そこへフェイトが申し訳無さそうに訊ねて来る。
『おい、智哉!今の可愛い声誰だよ!?まさかお前、彼女か!?そうなのか!?』
洋平にフェイトの声が聞こえたのか、電話越しに誰だと叫んでいる。
「煩い、お前は黙ってろ。……ん?フェイト、どうしたの?」
オレは電話を離しても聞こえて来る大声を発している洋平を一喝し、フェイトに向く。
「…あの、母さんから話は簡単に聞きました。母さんはああ言ってますが、……智哉さんだって学校あるのに、迷惑じゃないですか?」
オレが心から愛する少女は見ただけで判る、すごく心配なんです、という表情をしつつ両手をモジモジさせている。
「ハハ、心配性だな、フェイトは。大丈夫だから引き受けたんじゃないか。」
そう言って、暗い表情をしているフェイトを安心させるため、何時も通り優しく頭を撫でてあげた。
「そうだ。明日から球技大会なんだけど、フェイト、良かったら見に来るかい?………あ、でも普通通り授業があるから無理……か。」
良い案を思いついたので言ってみるが、顎に右手を当てて良く考えたら普通通り学校がある事を思い出し、後半の部分は独り言のようになってしまった。
「え?良いんですか?…その、智哉さんが迷惑じゃないんでしたら、是非行きたいです!」
オレの後半の話は聞こえてなかったのだろう、フェイトは先程までの表情を一変させ、満面の笑みを浮かべて言った。
「オレは問題無いんだけどね、フェイトは学校があるんじゃないのかい?」
「…あ……そうでした……。」
もの凄い落ち込み様のフェイトを目の前にしたオレは、どうしたものかと悩む。
「二人とも、何時までもそんな場所でイチャついていたら風邪引きますよ?」
そこへ何時までも廊下から戻って来ないオレ達を心配したのか、ドアを開けたリンディさんが声を掛けて来た。
「あの、実は……」
リンディさんに今までの経緯を説明するオレ。
「なるほど~。それじゃ、明日は皆で応援に行きましょうか!ね、フェイトさん?」
……えーと、皆でとは一体?
「フェイトさんもなのはさんを誘ってみたらどうかしら?ああ、学校には私から連絡しておくから心配はしなくても大丈夫よ。」
その言葉を聞いて、本当ですか!?と、フェイトの顔は満面の笑みへと早変わり。
(……ま、フェイトが喜んでるならそれで良いか。)
そんなこんなで、明日の球技大会にフェイトが観戦に来る事が決まったのだった。
~後書き~
第8話終わりでしw
実を言うと、まだまだ長かったんです。
が、書いている内に
『これでは1週間経ってしまうではないか!?』
と思ったので、区切りの良いところでひと段落ww
残りは第9話か……w
長く………なりそうだなw
名も無き世界へようこそ。 ここには主に日常の日記、野球関連の事柄、アニメの感想を載せています。 また、最近二次創作SSも書き始めました。 良かったら読んでいってくださいw 読んだらコメント書いてくれるとメチャ嬉しいですw 宜しくお願いしますwm(_ _)m
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