二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』
<第13話 愛しさと切なさと……>
私は智哉さんに守って貰っていたお陰で無傷でやり過ごせました。
あの雷のような砲撃をまともに当たってしまうと物凄く危険だというのは見た目から容易に判断出来てしまう程の威力だったのです。
他の皆は無事かどうか確認するため、あちこちを見渡したところ、どうやらなのはは和麻さんに、ユーノは煉さん、クロノは刹那さんと一緒だったからでしょう、全員無事だったみたい。
勿論、アルフも無事でした。
防御魔法系統がなのはと同じかそれ以上に得意であることは言わずもがな。
(なのは、フェイト、アルフ、大丈夫?)
ユーノが思念通話で私達が無事かを聞いてきました。
「私は智哉さんが一緒だったから、全然平気だよ。」
私は普段通りの感じで答えます。
「私も和麻さんが守ってくれたから、大丈夫。」
なのはも私と同様の返事。
そっか、とほっと胸を撫で下ろすユーノ。
そんな中、武装局員が結界を解除しました。
結界の膜が徐々に消えて行き、12月の夜空が顔を出します。
私達は逃げたシグナム達を追うことが出来ないため、今日のところは引き上げる事になりました。
「…こんな大勢でこの街を歩く事になるとは思わなかったな。」
「どうした、急に。何か問題でもあるのか?」
刹那さんは智哉さんの口から突然出てきた言葉に不思議そうに尋ねました。
「……いやな。ガキの頃こんなとこ来た事なんてそんなに無い上に、この人数だ。何か新鮮だなぁってな感じ。…まあ、それよりもこんな時間に幼き美少女二人を連れ回してたら警察沙汰にもなり兼ね無い。大袈裟かも知れないけどな。」
そう、苦笑しながら刹那さんに話す智哉さん。
私達はそんな他愛無い会話をしながら夜の海鳴市を歩きました。
「カートリッジシステムは扱いが難しいの。本来なら、その子達みたいに繊細なインテリジェントデバイスに組み込むような物じゃないんだけどね。本体破損の危険も大きいし、危ないって言ったんだけど…。その子達がどうしてもって…。…よっぽど悔しかったんだね。自分がご主人様を守ってあげられなかった事とか…、ご主人様の信頼に応え切れなかった事とか…、挙句の果てには智哉さんや和麻さんにご主人様を守って貰う羽目になって、二人の手も煩わせてしまった事とか…。」
エイミィが複雑そうな顔をして私となのはに話してくれます。
「ありがとう、レイジングハート…」
≪All right.≫
「バルディッシュ…」
≪Yes, sir.≫
私となのはは、何時も守って貰っている相棒に感謝の意を表して語り掛けました。
エイミィが私達の強化された相棒の説明を続けます。
「モードはそれぞれ三つずつ。レイジングハートは、中距離射撃の『アクセルモード』と砲撃の『バスターモード』、そしてフルドライブモード時にのみ使える『エクセリオンモード』。バルディッシュは、汎用の『アサルトモード』に鎌型のフォームになる『ハーケンモード』、そしてフルドライブモード時のみに使えるのが『ザンバーフォーム』。破損の危険があるから、『フルドライブモード』はなるべく使わないように。……特になのはちゃん。」
「はい?!」
なのはがいきなりエイミィに名指しされて素っ頓狂な声を上げてしまいます。
「フレーム強化をするまで、エクセリオンモードは起動させないでね?」
まだなのはのデバイスは完全な完成はしていないのでしょう、エイミィからの忠告です。
「はい。」
頷き、手の平に乗せている、相棒のレイジングハートをジッと見つめるなのは。
「それから、フェイトちゃん。一応私からの忠告はなのはちゃんだけだけど、フェイトちゃんもなるべくはフルドライブモードは使わないようにね。体に掛かる負荷は通常時よりも遥かに増してしまうから。智哉さんに心配を掛けたくないのなら、尚更ね。」
「…はい。」
なのはだけじゃなく、私も忠告を受けてしまいました。
でも、これ以上智哉さんに余計な心配を掛ける訳にはいかないので、本当にフルドライブモードは最後の切り札として必然的に残しておく事になりそう。
「智哉さんはフェイトちゃんを、和麻さんはなのはちゃんをそれぞれしっかり見張っていてくださいね?二人の身の安全のためなので。」
エイミィは智哉さんと和麻さんにまで注意を促しています。
これじゃ、本当に使う日が来ないかも。
だって、和麻さんは管理局でもトップクラスの実力を持ってる訳だし、智哉さんなんて和麻さんや煉さん、刹那さんが束になっても勝てない位に強いのは、もう証明済みなんですから。
私となのはは、そんなお目付け役のお二人と一緒に行動する事になるんです。
フルドライブモードを使うどころか、お二人が本気になったらまともに戦う暇すら無いかもしれません。
「ハハ、どうする和麻?見張ってくれとの事だけどさ?」
エイミィに言われて笑いながら傍に居た和麻さんに話を振った智哉さんでした。
すると和麻さんが、
「馬鹿か、お前は?どうするもこうするも無いだろ。同じ管理局員の命とあれば従うのは当然の事だ。お前はもっと局員としての自覚を持て。」
そんな事を智哉さんに向かって呆れた表情で話します。
「………それに、言われずともなのははオレが責任を持って守ってみせる。」
呆れた表情から一変して、顔が赤くなって照れたように俯きながらノロケのような話を続けた和麻さん。
そんな和麻さんに対して、今度は智哉さんが呆れたように、
「あ~はいはい、お腹一杯です。なのはとのノロケ話はもう結構です。誰も二人の恋愛には邪魔しないし、するつもりも無いから。」
………え?
………え~と、今智哉さんは何て?
私は苦笑いしながら智哉さんに今何と言ったのか恐る恐る聞いてみました。
そうしたら智哉さんは、
「ん?オレは『二人の恋愛は邪魔しない。』って言っただけだけど?」
何食わぬ顔でそんな爆弾発言を大勢の前でしたんです。
「ええええええぇぇぇぇぇぇええええええええええ!!!!」
余りにも大きな声が木霊してしまって、家の中からも思いっ切り私の声が漏れてしまった事でしょう。
「フェイトちゃん、ビックリし過ぎ……。」
なのはも苦笑しています。
私の家はマンションなので、隣人の方々にはとても煩かったかも……。
今、一人驚愕の事実を知ったような驚きを見せてしまった私に全員の視線が集まっていました。
(………うぅ、物凄く恥ずかしいよぅ)
自分でも顔が真っ赤になっているのが判ってしまったので、俯いて顔を隠そうとしますが、そんなのは全く意味を成さないのも知っている訳で。
「心配する必要は無いぞ、フェイト。オレはフェイトが傍にずっと居てくれれば後は何も要らないから。」
智哉さんは助け舟を出そうとしてくれたんだろうけど、助けになってないどころか、ノロケ話を追加してしまっています。
皆がそれに堪えきれず、クスクスと笑い出しました。
「それよりどうする、フェイト?エイミィから直々に下った任務な訳だけどさ。」
いきなり私に苦笑しながら話し掛けて来る智哉さん。
「わ、私は……その……」
話を戻されて、自分の中にある物を整理出来ていなかったので慌てふためいてしまいました。
そんな私の様子を見て智哉さんは私の頭を何時も通り優しく撫でてくれながら、
「そんなに難しく考える事は無いよ?フェイトは自分で思って、考えて出した答えのある道を進めば良いんだ。もし万が一にでもフェイトが間違った方向に進もうとしているなら、オレが全力を以ってフェイトを正すとここに改めて誓おうか。オレはフェイトが出した答えを出来る限り尊重するから。だから、そんなに悩む必要は無いよ?」
優しく諭してくれたのです。
「……はぁ。智哉、自分で和麻となのはちゃんのノロケ話はもう結構とか言っておいて、それは無いよ……。永遠とノロケを聞かされる僕達の身にもなって欲しいんだけど。」
煉さんが呆れ顔で智哉さんに言います。
私だけじゃなく、家に居る皆が笑ってしまいました。
「問題は、彼等の目的よね?」
暫く経った今、リンディさんが話を始める。
「そうですね。」
一つ返事をするオレ。
先程、煉と刹那は先に上がらせて貰うと言って、自宅へ帰った。
「どうも…腑に落ちません。」
オレの正面に座っていたクロノが疑問を発する。
「彼等はまるで、自分の意志で闇の書の完成を目指しているようにも感じますし。」
闇の書の守護騎士達自らが蒐集しているような感じを受けての事だろう。
オレもそれは感じた。
「んん?それって何か可笑しいの?」
そこへアルフがクロノの言葉に疑問を投げ掛ける。
「闇の書ってのも、要はジュエルシードみたくすっごい力が欲しい人が集めるもんなんでしょう?だったら、その力が欲しい人の為にあの子達が頑張るってのも可笑しくないと思うんだけど……」
確かに。
アルフの見解は正しいように思える。
だがオレは……
「第一に。闇の書の力はジュエルシードのように、自由な制御が可能な物では無い事。」
こう答える。
「完成前も完成後も、純粋な破壊にしか使えない。少なくとも、それ以外に使われたと言う記録は一度も無いわ。」
リンディさんがオレの言葉に付け加える。
「あぁ、そっかぁ……。」
オレとリンディさんの言葉で納得してくれたアルフ。
「それともう一つ。あの騎士達……」
クロノが話を付け加える。
「闇の書の守護者の性質か。」
和麻がクロノが何を言わんとしているのか読んだかのように話をする。
「……そうですね。彼等は人間でも使い魔でもない。」
その言葉に、フェイト、なのは、エイミィが信じられないと言った顔付きでクロノの顔を見た。
「闇の書に合わせて、魔法技術で作られた擬似人格。主の命令を受けて行動する、只それだけのためのプログラムに過ぎない筈なんだ。」
クロノの冷静な言葉に、少しの沈黙が出来た。
そんな中、口を割ったのはフェイトだった。
「……あの。使い魔でも人間でも無い、擬似生命って言うと………わt」
「フェイト!!!!!!!!!!!!!」
オレはフェイトの言葉を最後まで聞かず、いや、聞けず……いや、それも違う。
その先の言葉を言わせると、言わせてしまうと…オレが、オレ自身の中にある何かが弾けてしまいそうだったから、反射的に口が、怒鳴り声を上げたのだ。
オレの怒鳴り声など、フェイトは聞いた事も無かっただろう。
オレの方を向きながらも怯えていた。
オレはフェイトの言葉で、フェイトが少し喋っただけで錯乱状態にも見て取れるように取り乱していた、冷静さを失っていた……。
その状態のまま、
「それは違う!!!フェイトは………オレの愛するフェイトは、生まれ方が少し違っていただけで、ここにいる誰とも変わらない!!!フェイトはちゃんと命を授かって生まれて来たんだ!!!」
フェイトを思いっ切り力強く抱き締め、フェイトの耳の鼓膜が破れてしまうのではないかという程の声量で全否定した。
同時に、オレの声が震えているのも、涙を流しながらの大声だという事も丸分かりだった。
自分でも判った位なのだ。
「検査の結果でも、ちゃんとそう出てただろ?全く…、変な事を言うものじゃない!」
悲痛な叫びにも似た大声を発したオレを見兼ねてか、傍に居たクロノもフェイトを叱る。
「……はぃ。………ごめんなさい」
オレに抱き締められながら謝罪の言葉を口にするフェイト。
「……はぁ、全く…。謝るのは僕にじゃないだろ?」
クロノが呆れた表情でいることは言葉から容易に判った。
クロノには感謝したい。
先程からずっと一方的にオレに抱き締められていたフェイトは、自分からオレの体に細くか弱い、華奢な腕を回して抱き締めてくれた。
今のオレにはそれだけで十分だった。
フェイトの想いが伝わってくる。
ごめんなさい。
たったその一言だが。
その一言の意味が、重みがオレの体にフェイトの体を通して流れて来る。
でも、フェイトはそれだけでは満足しない子だって言うのは分かっていた。
「……智哉…さん、本当…に……ご…め……ん…s……ぅぅ…うわああぁぁぁぁん」
自分の口から言葉でオレに伝えようとしてくれたのだが、涙を堪えながらだったようで、泣き出したい感情を抑えるのが限界に来て、最後まで言い切れず、フェイトはとうとう泣き出してしまった。
フェイトが泣き止むまで、オレはずっとフェイトの頭を撫でて上げたのだった。
優しく……
愛する少女のために………
愛しい君の笑顔を見ていたいから…………
~後書き~
ようやっとの13話でした~……ww
中々進める暇が無いデスヨw
何でかって?
いや~、遊び呆けてるからですよwwww(マテ
それにしても、タイトルって難しいとです。
色々考えても何かしっくり来ないと言うか…。
まあ、とりあえず14話は早めにアップ出来るよう頑張りたいと思いますですw
名も無き世界へようこそ。 ここには主に日常の日記、野球関連の事柄、アニメの感想を載せています。 また、最近二次創作SSも書き始めました。 良かったら読んでいってくださいw 読んだらコメント書いてくれるとメチャ嬉しいですw 宜しくお願いしますwm(_ _)m
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