名も無き世界へようこそ。 ここには主に日常の日記、野球関連の事柄、アニメの感想を載せています。 また、最近二次創作SSも書き始めました。 良かったら読んでいってくださいw 読んだらコメント書いてくれるとメチャ嬉しいですw 宜しくお願いしますwm(_ _)m

2008年3月30日日曜日

<第21話 裏切り>

二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』
















<第21話 裏切り>



















「こんなもんで良いのか?」

「ああ、構わない」

「……それよりてめぇは良いのかよ?」

「何がだ?」

「何って…局の人間が、犯罪者扱いのあたし達、ヴォルケンリッターと一緒に居る事だよ!」

「局は確かに犯罪者扱いしてるが、オレは別に何とも思ってない。寧ろ、局から何も命令を受けていないオレが、今この場所に居る事の方が問題だと思うがな。」

「…何でだよ?」

「分からないのか?オレはこれでも一応局に属してる事になってるんだ。何処で何をしているのかはオレの魔力反応を検索すれば直ぐに判るだろうな。」

「だーかーらー!!てめぇは一体何が言いたいんだ!?」

「智哉が見つかれば、その直ぐ傍にいる我々も見つかってしまう。そういう事だろ?」

「ああ。だから…」



















その頃、フェイトの家では…………

フェイトとなのはが部屋で楽しく会話をしていた。

と、そこへエイミィが買い物袋を提げて帰って来た。

「艦長、もう本局に出掛けちゃった?」

台所にて、買って来た品物を取り出しながらフェイトに尋ねる。

「うん。アースラの武装追加が済んだから、試験航行だって、アレックス達と。」

エイミィからカボチャを受け取ったフェイトが答えた。

「武装ってーと……アルカンシェルか。あんな物騒な物、最後まで使わずに済めば良いんだけど……。」

人差し指を顔に当てて考えてから、今度は溜め息を吐くエイミィだった。

「クロノ君もいないですし~。戻るまではエイミィさんが指揮代行だそうですよ~?今は和麻さんもいませんし。」

フェイトから渡された品物を冷蔵庫に入れるためにそこにいるのだろう、なのはがそう話す。

「煉さんも刹那さんも智哉さんも今はいないけど……エイミィ大丈夫?」

「責任重大~!」

フェイトは心配そうに話すが、肉を嬉しそうに咥えながら転がっているアルフからは茶化されるエイミィ。

「それもまた物騒な……。まあ……とは言え、そうそう非常事態なんて起こる訳が……」

まさにその瞬間だった。

目の前には『EMERGENCY』の文字が現れた。

エイミィは驚き、フェイトからヒョイと片手で持ったカボチャを手から落としてしまった。

三人は別室である、司令室に集まりモニターを見ていた。

映し出されていたのはシグナムとザフィーラ。

「文化レベルゼロ。人間は住んでない砂漠の世界だね。」

映像からは声は聞こえなかったが、何やら二人は会話をしているのが判る。

エイミィは素早くボードを叩きながら、

「結界を張れる局員の集合まで最速で45分。……不味いなぁ。」

そう呟く。

慌てているのが容易に判った。

その時、フェイトとアルフは互いに頷き合い、ある事を提案した。

「……エイミィ。私が行く。」

「私もだ。」

いきなりの提案で少し驚き気味だったが、二人の目を見てエイミィは頼もしそうに、

「うん、お願い!」

そう答えていた。

「うん。」

「おう。」

エイミィの言葉に短いが、それでいてヒシヒシと伝わる程の頼もしい返事を二人はした。

「なのはちゃんはバックス。ここで待機して。」

「わかりました。」

フェイトは自室に戻ると、机の上に置いてあったカートリッジの束二つと相棒を手に出撃の準備。

「……行くよ、バルディッシュ!」

≪Yes, sir.≫





















「…ちぃ」

「どうした、智哉?」

「局の魔力監視装置に反応しちまったらしい…!」

「……仕方ないだろう。この辺りに生息する野生生物はAAランク程の強さを持っているのだ。我々とて、手を抜けば殺されかねん。」

「せめて魔力監視装置がどの程度の範囲で働いているのかさえ分かれば良いんだが…。生憎、オレが知っているのはAA以上の魔力に反応するって事くらいだからな……。」

さて、ここからどうするか?

ヴィータもシグナムもザフィーラもあれは持って来ていると言っていた。

どんな非常事態になっても最悪な状況だけは免れられる。

シグナム達を転移魔法で移動させれば問題無いか?

「智哉、お前はどうする?」

「どうす……」

グオオオオォォォォォオオオオオオオオ!!!!!

ガキイイイイィィィィィィイイイイイイン!!!!!

「……こうも彼方此方から野生生物が出てくると………対策もまともに立てられない……な!!!」

ズドオオオオオォォォォォオオオオオン!!!!

シグナムの後ろにいきなり現れた野生生物の攻撃を庇いつつ受け止め、薙ぎ倒した。

「……全く、少しは警戒したらどうだ?」

「…フ、お前が居るお陰で少しばかり油断してしまっていたようだ」

嬉しい事言ってくれるじゃないか。

けど、それ騎士としてどうよ?

ま、今までみたいに硬い表情では無くなったから良いとするか。

グオオオオォォォォォオオオオオオオオ!!!!!

「ちぃ!まだいるのかよ!?しつこいヤツは嫌われるって……」

高く飛び上がり………

「教わらなかったか!?」

思いっ切りラグナロクを振り抜く。

ガアアァァァアアアアン!!!

な……!?

コイツの鱗、相当硬い!

鱗に弾かれてしまい、体勢が崩れる。

空中であるが為、今攻撃をされれば少なくとも弾き飛ばされる…!

刹那、空気を切るかのような音。

同時に腹部に途轍もない衝撃が走った。

「ぐはぁっ!!」

直撃を喰らった。

そのまま慣性に沿って一直線。

地面に思いっ切り叩き付けられた。

砂漠だったためダメージは衝撃のわりにそれ程でも無かったが。

「くそ…!」

起き上がったその直後だった。

脇腹に先程と同じ衝撃が走った。

喰らってしまったと気付いた時には既に宙に浮いていた状態。

遠方に、先程まで居た場所ではシグナムが同じ生物と戦っているのが見えた。

≪智哉様!追撃が来ます!!≫

アイーシアからの警告。

オレの魔力反応が検出されれば何かしらの問題が起こるのは間違い無い。

しかし、この状況下では仕方ないか?

オレに攻撃を仕掛けて来ているコイツは、恐らくこの辺りに生息するワーム型の生物の中でも最強クラスだろう。

先程薙ぎ倒したヤツでも、オレの攻撃を弾くなんて事は無かったのだ。

オレ自身の全体重を乗せた一撃を容易く弾く程の驚異的な防御力。

(…厄介な相手だな)

今、恐らくエイミィか誰かがフェイト達をこの世界へ送ったところだろう。

思考を巡らせながらも、体勢を無理矢理立て直す。

直後に襲い掛かる巨大で長いワームの攻撃を避けた。

着地した時、シグナムの方が視界に入る。

蒐集するのが目的であるため、倒してしまっては意味が無い。

殺さず相手を戦闘不能にするのは並大抵な事では無いのだ。

例えそれが野生生物であっても。

オレも局に見つかるのを覚悟で戦うか迷っていると、シグナムが遂にワームに捕まってしまった。

(おいおい!?あのままじゃ不味…)

先程と同じ空気を切り裂く音。

頭よりも先に身体が動いた。

間一髪だった。

「…くそ!これじゃ迂闊に背中を見せられない…!」

その時だった。

天空から黄金に輝く光の剣が降り注いだ。

≪Thunder Blade≫

その電子音と共に。

シグナムを拘束していた触手を破壊しつつ、巨大な身体に次々と刺さっていく。

シグナムは上空を見上げ、フェイトの姿を確認したようだ。

「ブレイク!!」

フェイトの透き通った声が響く。

瞬間、光の剣から夥しい量の魔力が漏れ出す。

そして大爆発。

全身を串刺しにされ、爆発の痛みに耐え切れなくなったのか、遂にワームは地面に伏した。

(流石だね、フェイト)




















「ご主人様が気になるかい?」

「……」

ザフィーラが声のする方へ向く。

「…お前か」

「ご主人様は一対一。こっちも同じだ。」

「シグナムは我等の将だ。主ではない。」

構えて言うザフィーラ。

「あんたの主は…闇の書の主…って言う訳ね?」

アルフも構えてザフィーラに言った。
















『フェイトちゃん!助けてどうするの?!捕まえるんだよ!』

「ぁ……ごめんなさい。つい…」

言われて気付き、謝るフェイト。

「礼は言わんぞ、テスタロッサ」

「……お邪魔でしたか?」

一息おくシグナム。

「…蒐集対象を潰されてしまった」

そう言って、新たにデバイスへカートリッジを装填する。

「まあ、悪い人の邪魔が私の仕事ですし」

「……そうか。悪人だったな、私は。」

『フェイト達が現れたら、これを使え。』

(…使うべきか?)
















『EMERGENCY』

「な!もう一箇所!?本命はこっち……!なのはちゃん!!」

「はい!」

エイミィから出撃命令を受けたなのは。

レイジングハートを手に、直ぐに出動した。


















「久し振りだね、リンディ提督」

「はい」

局の一室。

紅茶の湯気が漂う中、会話がなされる。

「闇の書の事件、進展はどうだい?」

グレアム提督がリンディに尋ねる。

「中々難しいですが、上手くやります」

紅茶を口にするリンディ。

「君は優秀だ。私の時のような失態はしないと信じているよ。」

「夫の葬儀の時、申し上げましたが……あれは提督の失態ではありません。あんな事態を予測出来る指揮官なんて、誰もいませんから。」

紅茶の入ったカップを受け皿に静かに置く。

そう言ったリンディは笑顔。

しかし、グレアムは終始険しい表情だった……。

















その頃、無限書庫では………

大きな魔法陣を展開し、自分の周りに大量の本を広げているユーノの姿があった。

その顔は真剣。

「へぇ~……器用なもんだね~。それで中が分かるものなんだ?」

「えぇ……その……まぁ…」

苦笑いしながら話すユーノ。

「あの~…リーゼロッテさん達は、前回の闇の書の事件を見てるんですよね?」

「…うん、ほんの11年前のことだからね…」

寂しそうな声で返事をしたロッテ。

「その……ホントなんですか?その時、クロノのお父さんが亡くなったって…?」

ユーノも聞き辛そうだ。

ロッテも辛そうな顔をする。

「ホントだよ……あたしとアリアは父様と一緒だったから、すぐ近くで見てた…。封印した筈の闇の書を護送中のクライド君が、クロノのお父さんね」

「はい…」

「クライド君が、護送艦と一緒に沈んでいくとこ……」

ロッテは顔を俯けてしまった……。

















「封印手段は、やはりアルカンシェルになってしまったな」

「他に無いもんねぇ…あんな大出力が出せる武装」

「あれは周辺への被害が大き過ぎる。撃たずに済めば良いんだが」

「主が見つかると良いんだけどねぇ」

アリアが表情を変えずに続ける。

「…まあ、例え主を抑えたところで、闇の書には転生機能があるから……新しい主に渡るまで、ほんの数年ばかり問題を先送りになるだけだけど」

「それでも、その場で大規模な被害が出るよりはずっと良い。」

「まぁね」

「………まあ、大出力を出すだけなら、当て嵌まる人物がいなくは無いんだけど。」

ポツリとクロノが漏らした……。
















砂漠の世界。

日は今も強く照りつけ続けている。

「……預けた決着は出来れば今暫く先にしたい。…が、速度はお前の方が上だ。逃げられないのであれば戦うしか無い……と言いたいところだが。」

「……?」

私は首を傾げます。

シグナムは首に提げていたアクセサリーを空に高く掲げ、握り締めました。

「……一体何をしようと言うんです?」

「…フ、ジッとしていれば自ずと分かるさ」

瞬間でした。

巨大な魔法陣が私とシグナムを包囲したんです。

それに、どこかで見たことのある魔法陣。

「こ…この魔法陣………もしかして」

「何れ判るさ」

そして私達は展開された魔法陣に強制転移させられたのでした………。















「「……はぁはぁ」」

「あんたも使い魔……守護獣ならさ!ご主人様の間違いを正そうとしなくて良いのかよ!?」

必死に説得しようとするアルフ。

「闇の書の蒐集は我等が意志。我等の主は……我等の蒐集についてはご存じ無い!」

「何だって!?そりゃ一体……」

「主のためであれば血に染まる事も厭わない、我と同じ守護の獣よ。お前もまたそうではないのか?」

ザフィーラはアルフの言葉を聞き入れはする。

しかし、あくまで聞き入れるのみで同意は決してしない。

寧ろ、アルフへ自分の意見を通そうとしている。

「そうだよ!……でも……だけどさ!」

「……仕方あるまい。これは出来れば使うまいと思っていたのだがな。」

そう言いながら、取り出したのはアクセサリー。

ザフィーラはそれを空高く掲げた。

深く握り締め。

瞬間。

魔法陣が展開された。

広がった魔法陣が二人を包む。

「こ…これは一体!?」

アルフは驚いた。

仕方ないだろう。

掲げられたアクセサリーが光ったと思えばいきなり魔法陣が展開されたのだから。

「強制転移魔法だ。ある者の下へ転移される。」

「ある者って誰だい!?」

「この魔法陣に見覚えがあるだろう」

「…え?」

アルフは改めて魔法陣を見た。

術式、そして色。

「ちょっと待っておくれよ!これって……」

アルフの言葉が終わる前に二人は強制転移させられるのだった……。

















とある世界の空を飛行中のヴィータ。

(シグナム達は?)

(うん。砂漠で交戦してたの。けど、さっき智哉さんから戴いたアクセサリーを使ったみたい。)

(そっか。なら問題ないな。)

シャマルと思念通話中、ヴィータは突然止まった。

視界に入ったのは………

なのはだった。

(ヴィータちゃん?)

突然喋らなくなったヴィータに気付いたシャマル。

何かあったのだろうかと心配したのだろう、思念通話を再開した。

(くっそー…!こっちにも来た。例の白服…)

「高町何とか!!」

カクンとなのはがコケた。

ヴィータがまたもや名前を間違えたためだ。

それも豪快に。

「なのはだってばぁ!!『な』『の』『は』!!!!」

腕をブンブン振って自分の名前を叫ぶ。

「んもぅ……」

溜め息を吐く。

それでも真剣な表情に切り替え、ヴィータに話し掛ける。

「ヴィータちゃん、やっぱりお話聞かせて貰う訳にはいかない?もしかしたらだけど……手伝える事とかあるかもしれないよ?」

言い終えた時の顔は、表情は笑顔だった。

微笑んでいた。

その顔を見たヴィータの頭には、一瞬だがはやての笑顔が過った。

「うるせぇ!!」

しかし、ヴィータは拒絶を選んだ。

「管理局の人間の言う事なんざ信用出来るか!!」

凄まじい咆哮。

「私、管理局の人じゃないもの。民間協力者。」

咆哮も恐れないなのは。

それどころか、ヴィータに対して救いの手を差し伸べようとする。

(闇の書の蒐集は一人の魔導師につき一回。つまり、コイツを倒してもページにはなんねーんだよな。)

ヴィータは考えていた。

この状況からどうやって逃げられるかを。

(カートリッジの無駄遣いも避けたいし……)

ヴィータは考えに浸るため、俯く。

その時だった。

首に提げていたアクセサリーに気付いたのは。

(……そうか!これがあった!!)

それは智哉から渡された物で、見た目は何の変哲も無い首飾り。

だが、ヴィータもそれがどういった物かしっかり智哉から聞いていた。

『これは言わば魔法具。これを空に掲げる事でオレの近くへ強制的に転移する魔法陣が発動する。フェイト達に出会った場合、これを使うと良い。』

貰った当初は胡散臭かった。

しかし、ヴィータはシグナム達に言われて渋々首に提げているだけだったのだが、今この状況でカートリッジを使わずに済むならば使わない手は無い。

なのはと戦えばカートリッジの消費どころか、ボロボロになる事だって考えられる。

「ヴィータちゃん!」

なのはの声で動く。

(使いたく無かったけど、こうなりゃ一か八かだ!!)

「ブッ倒すのは………また今度だ!!!!」

首に提げていたアクセサリーを引き千切り、空高く掲げた。

刹那、ヴィータが何時も展開する魔法陣とは違う形、違う色の魔法陣が二人を囲む。

「え?!え?!この魔法陣は?!」

なのははいきなりのことで驚いている。

「わりぃけど、強制転移させてもらうぜ!」

「強制転移!?それより、この魔法陣何処かで見た事ある気がする………。」

「そりゃそーだよ。ま、アイツを見れば判るだろうけどね。」

「え?アイツ?アイツって………」

なのはもまた、言い終える前にヴィータと共に魔法陣へと吸い込まれた……。
















(……シグナム達はあれを使ったか)

今も巨大なワームと交戦していたオレは、ヴォルケンリッターに渡したアクセサリーから魔力反応を感じた。

ワームにはまだまともなダメージは与えられていない。

これ以上時間を使えば、シグナム達が転移して来た後が大変になるのは目に見えている。

オレの魔力で生成した魔法陣だってのは薄々気付いているヤツもいるだろう。

この際仕方ないか。

「アイーシア」

≪一撃で仕留めますか?≫

「ああ。フェイト達が転移してくるみたいだからね。早めに倒さなければ後々面倒な事になるだろうから。」

≪分かりました≫

「あ、幾らこのワームの鱗が硬いと言っても、セカンドリミッターは解除する必要は無いからね?」

≪ふふ、智哉様は心配性なのですから。≫

「それはアイーシア、君の方だろ?そんな事より、さっさと片付けようか。」

≪はい。ファーストリミッター解除承認。ドライブイグニッション!!≫

魔力を制限するリミッターを解除したと同時に、魔法陣を展開する。

「……巻き上がれ!切り刻め!吹き荒れよ!神風の嘆き!!セレスティア・テンペスト!!!!」

瞬間、ワームを中心に上空が淀む。

瞬く間に雨が降り、雷が落ち、風が吹く。

雨と風が混ざり合って嵐となり、嵐と雷が交じり合ってサイクロンを呼び起こす。

ワームは大雨で身体を濡らされ、疾風に切り刻まれ、そして激しい雷撃を受け、地面に呆気無く崩れた。

オレは倒れて動かなくなったワームに謝罪の意を籠め撫でた。

リンカーコアを抜き取ると、シグナム、ザフィーラ、ヴィータがそれぞれ転移して来た。

なのは、アルフ、そしてフェイトと共に……。

「やあ、フェイト。それになのは、アルフも。」

オレは三人ににっこり笑ってみせた。

「……望み通り、連れて来てやったぜ」

「本当に良いのか?」

「構わないと言った筈だが?」

ヴィータはまだ信用してくれていないみたいだ。

ザフィーラはザフィーラで、オレの身を案じてくれているのだろう。

「……どうして」

フェイトの声が震えている。

無理も無い。

「どうして……智哉さんがここに?」

そう、オレは今シグナム達の傍に居るのだから。

「それに……どうして……シグナムの傍に……いるんですか?」

最もな疑問だ。

寧ろ、そう思わない方が異常だと言える。

「ヴィータ、ザフィーラ、シグナム、お前達は行け。後はオレがやる。」

「……良いんだな?」

「さっきも言っただろ?」

ザフィーラは静かに頷く。

「……後で泣きを見たって知らねぇからな」

「ハハ、そんなマヌケな事はしないから心配するな」

ヴィータなりに心配して言ってくれたのだろう。

オレも気を遣わせないよう軽いノリで答える。

「…本当にすまない」

「気にする必要は無いって言ったろ?お前がしっかりしなくてどうするよ?早く行け。」

シグナムの肩をポンと叩く。

動かないシグナムの背中をオレは押した。

それで漸く動いたシグナムは一言。

「…すまないが後は頼む」

三人は飛び立った。

(…無茶だけはしないでくれ)

(シグナム、お前って実は心配性か?)

(そ、そんな事は…無い)

(そんなにオレが信じられないか?)

(そんな事は…)

(必ず戻る)

その一言でシグナムは黙ってしまった。

少しの間の後、シグナムは再び思念通話を送って来た。

(必ず戻って来てくれ)

その一言を聞いて、シグナムとの思念通話を終える。

フェイト達はシグナム達が逃げて行くのを黙って見てる筈も無く、後を追おうと飛び立つ。

≪サンダーフォース≫

アイーシアの声と共に、オレは片手から黄色い奔流を放った。

追おうとした三人の進路を妨げるために…。

「三人はオレの相手をして貰おうか」

にこやかに話す。

「智哉さん!どうして!?」

「あんた!事と次第によっては只じゃ済まさないよ!?」

「智哉さん!理由を教えてください!」

三者三様の言葉。

「話すと長いから手短に答えよう。前から思っていた事なんだけどさ。……一度で良いからオレは三人と本気で戦いたい。」

三人は声にならない驚きを見せる。

オレの目を見たからかもしれない。

オレの言葉を聞いたからかもしれない。

けれど、オレの気持ちに嘘は無かった………。













~後書き~

第21話でしたw

急展開ですかね?ww

急展開ですか、そうですか。

その辺は愛嬌でwwwwww(オイ

2008年3月29日土曜日

<第20話 昨日の敵は明日の友>

二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』















<第20話 昨日の敵は明日の友>

















オレはどうなったのだろう。

地面にぶっ倒れたところまでは微かに覚えている。

あのままリンカーコアを抜き取られたのだろうか。

そして、あれから一体どの位時間が経過したのか。

分からない事だらけだ。

……何の匂いだろう。

何処からか良い匂いが漂って来ている。

………これはカレーか?

目を開ける。

ゆっくりと視界に入って来たのは天上。

どうやらオレは何処かの家に居るようだ。

目だけで辺りを窺うと、そこは見覚えがあった。

身体を起こす。

関節の節々が痛い。

それにもの凄く重かった。

「目が覚めたか」

後ろから声がした。

振り向くとそこには何とシグナムの姿が。

オレは反射的に飛び退いた。

戦闘でのダメージがまだ残っていたため、着地した時に片手を着いた。

よく見ると、シグナムはテーブルの椅子に座りながらのんびりと新聞を読んでいたようだ。

同じくテーブルについていたヴィータ、台所の傍にエプロン姿でいたシャマル、床には大型犬姿のザフィーラ。

「そんなに驚かなくても。ですが、とりあえず今は安静が一番ですよ?」

シャマルは苦笑しながら話し掛けて来た。

「……自分のデバイスに感謝しとけよ?オメーをわざわざ助けてやったのだって、そいつのお陰なんだからな。」

呆れた顔をしながらヴィータもシャマルに続く。

「………全て、聞いたのか?」

「…ああ」

新聞を見ながら話すシグナムは落ち着いた様子。

「そうか」

短く返事をして、オレは相棒であるアイーシアに感謝の意を籠めて優しく撫でた。

「……我々も正直驚いた」

シグナムが新聞を置き、こちらを向いて話し出した。

その顔は真剣だった。

オレも身体を向ける。

「闇の書を完成させれば主はやてを苦しめる呪縛から解けて全てが丸く収まるものだと思っていたのだ」

「呪縛が解けても次元震……いや、次元断層、それも宇宙規模のが起こってしまい、住む場所どころか生き残れるかも危うくなるからな。」

「そうなんですよね……」

「はやてを救っても住めるどころか生きられるかどうかもわからねーなんて聞いてねーよ!」

話しながらもシャマルは俯き、ヴィータは怒りを隠せずにいる。

「だからオレがいる」

二人の顔がオレに向く。

「オレはそのために今まで動いて来たんだ」

「……どうにかなるってのかよ?」

ヴィータの視線が真っ直ぐオレに向けられる。

はやてを救いたい、はやてと一緒に暮らしたい、その一身という目。

オレはつい笑ってしまった。

「てめぇ!何が可笑しい!?」

ヴィータは怒る。

まあ、無理は無いだろう。

「お前等は今まで通り普通に蒐集をしてくれて構わないさ。闇の書が完成した後はオレが…いや、オレとアイーシアが全てやる。」

「……だが、もう時間は余り残されていないのも事実だ。それに管理局の監視もあるだろう。それもより一層厳しくなる事だろうな。」

シグナムも厳しい表情をしながら呟く。

「それは問題無い」

「どうしてんな事言えんだよ?仮にもてめぇは局の人間だろ?」

まあ、オレがそんな事を言えば、確実に誰かが聞いて来るのは明らかだろう。

予想はしていた。

だからオレは既に頭の中で用意していた答えを出す。

「フェイトやなのはが邪魔しに来た場合、オレが相手をしてお前達を二人から遠ざければ良いだけの話だ。」

そうだろ?という表情でシグナム達を見渡すと、全員呆気に取られてしまっていた。

「……そんなに驚く事無いだろ?」

全員の視線が何か痛かった。

哀れむというか、何というか。

「……考えがあんまりアホ過ぎて声も出ねーよ」

「…ヴィータちゃん、それはちょっと言い過ぎ。…でも流石にそんな考えは思い浮かばなかったわ。」

「………管理局の者が、自ら仲間と戦うなどと言い出すとはな。局の人間としては失格だろうが。」

「…仮にそうするとしよう。私とヴィータが蒐集の中心なのはわかるだろう。私達二人が揃って行動する事はまず無い。そこを前回も狙われている。その場合どうする気でいる?まさか智哉、お前が二人にでもなるつもりか?」

「ごもっともな質問だな。寧ろオレはその質問を待っていた。とりあえずこれを受け取ってくれ。」

そう言って着ていた服の内ポケットから取り出した三つのアクセサリー。

それをシグナム、ヴィータ、ザフィーラの三人にそれぞれ手渡す。

「……?」

「何だこれ?」

「…これを一体どうしろと?」

突然受け取り、三者三様の顔をする。

「……あの」

シャマルが申し訳無さそうに訊ねて来た。

「ん?」

「……その、私には無いんですか?」

物欲しそうな顔を必死で隠そうとしてはいるのだろうが、表にバッチリ出てしまっていた。

オレはそんなシャマルを見ながら苦笑しつつ答える。

「シャマルも欲しいのなら、もう少し良いのをプレゼントするよ。それにこれは普通のアクセサリーでは無いからな。」

「え?良いんですか!?……でも」

「気にしなくても良いよ」

そう言うと、遠慮しつつもシャマルはとても嬉しそうにしていた。

三人はというと、渡されたアクセサリーを色々観察している。

「それはオレの魔力を注いだ、言わば魔法具。主な用途としては残存魔力の回復や、仲間の位置確認だな。それよりも今から説明する機能がフェイト達と遭遇した場合に必要になる。それを空に掲げる事で、オレの傍に強制転移する魔法陣を仕込んである。効果範囲だが、大体自分を中心に50~100メートルくらいが限界領域だろう。それを発動させてオレの近くに連れて来てくれ。その後相手はオレがやろう。」

「了解した」

「…しくじるなよ?」

「すまないが、宜しく頼む」

ヴィータはふん、と顔を背けながら言い、シグナムは頭を深く下げながら言った。

「これはオレ自身でやってることだ。局は関係無い。だから頭を下げる必要はないぞ、シグナム。」

右手で肩をポンと叩き、頭を上げさせた。

そこへタイミング良くはやてが来た。

「あ、智哉さん。もう起きて大丈夫なんか?」

「寝てたら回復したよ。迷惑かけたな」

「そんなことあらへんから、気にせんどいて~」

はやては笑顔でそんな事を言ってくれた。

そして、たった今思い出した事なのだが、オレはぶっ倒れた。

そのオレを運んで来たのは間違いなくシグナム達。

どうやってここまで運んで来たのかは分からないが、はやてには何らかの理由を説明した筈だ。

帰る間際にでもシグナム達に礼を言わなければ。

「あ、そや。智哉さん夕飯一緒にどーや?」

ポンと両手を合わせ、思い出したように言うはやて。

(……ん?夕飯?)

はやての何気ない一言が気になった。

そう思ってふと時計を見ると、既に午後6時。

……不味い。

非常に不味い。

何が不味いって?

それは……………

プルルルルルルルル……

突如携帯が鳴り出した。

恐る恐る携帯を手に取り、電話に出ると………

「智哉さん!!!!!!!今何処なんですか!?」

怒鳴られた。

オレは耳の鼓膜を守るため、反射的に電話から耳を離す。

声の主はフェイト。

電話越しにも容易に判る。

今のフェイトはかんかんだ。

…まあ、怒鳴られたとは言っても、フェイトの声は鼓膜が破れる程煩いなんて事は無いため、離さなくても全然問題無いのだが。

それよりも、不味いと言った理由。

それは今日の夕飯、フェイトの手料理を食べる約束をしていたのだ。

正確にはオレがお願いしたのだが。

わざわざ我が侭を叶えてくれたのに、その我が侭を言った本人がその場に居ない。

これは怒鳴られても何も文句は言えない。

「ゴ、ゴメンよフェイトぉ。そんなに怒らないで、ね?今直ぐ帰るから。10分だけ、いや5分だけ待って、ね?」

慌てて謝罪するオレ。

その様子をシグナム達は、何があったのだろうとでも言いたげな表情で見ていた。

「……じゃあ、10分だけ待ってあげます。……それ以上遅れたらもう口利きませんから」

「分かった、今から光の速さで戻るよ。」

「……早く帰って来てくださいね?」

「分かってる。愛してるよ、フェイト」

「…もう、そ…そんな事では許してあげません」

ハハハと笑いながら電話を切る。

「と言う訳でだ。はやて、夕飯をご一緒させて貰うのはまた今度ってことで。」

そう言って玄関へ。

「ふふ、智哉さんは以外に尻に敷かれてまうタイプなんやな」

はやて達、八神家の皆が見送りに玄関まで来た。

「それ本人の前で言うか、普通?」

「冗談や、冗談。かんにんしてや」

「……良し。んじゃまたな」

「急ぎ過ぎて怪我せんでな~」

「分かってるよ」

(智哉)

(ん?どうした?)

(今までの事、すまなかった、で済むとは思っていない。それを承知の上で、主を救うため改めて協力をどうか頼む。)

言葉だけで判った。

シグナムが心の中で土下座している。

シグナムを見て、オレは思った。

主がはやてで良かった、と。

(……フ、今更だろ?オレもはやてを救いたいのは同じだ。……それに)

(それに……何だ?)

(もう誰かが何かを失うところを見るのはご免だ。今までも、そしてこれからも。オレはそのために自分の意志でここに、お前達の目の前にいる。)

心からそう思えた。

一応、オレも局の人間だ。

局を裏切る行為をこれからするのに。

信頼してくれている仲間の前に立ちはだかるのに。

そして何より……、守ると決めた筈の愛しい君と剣を交えることになるのに。

それなのにオレは、何故か清々しい気分だった。

オレの選んだ答えは間違っていないと、心の底から胸を張って言える。

(オレの持ち得る最大限の力、お前達ヴォルケンリッターに貸す事を誓おう。テンペルリッターと言う騎士の名に懸けて。)

「じゃあな、はやて」

はやての頭を優しく撫で、オレは家を後にした。

シグナム達の力となる事を改めて決意して。




















ガチャっと音がしました。

玄関からです。

「ただいま~」

智哉さんが帰って来ました。

今の今まで怒っていた筈なのに、智哉さんの声を聞くと、そんな気持ちが吹き飛んでしまいました。

早く会いたい。

早く私の作った料理を食べて貰いたい。

そんな事で私の頭の中は一杯でした。

「おかえりなさい!」

リビングに入って来た智哉さんに、思いっ切り抱きついてしまいました。

ビックリするかと思ってましたが、智哉さんは落ち着いて私を受け止めてくれたんです。

もしかしたら、こうなる事予想してたのかな?

「ハハ。ただいま、フェイト。エプロン姿とっても可愛いよ。」

「その……智哉さんに見て貰いたくて…」

「そっか。今のフェイトも可愛いけど、裸のままのエプロン姿だったら、オレ夕飯じゃなくてこのままフェイトを美味しく戴いちゃったかもな。」

一瞬何の事かさっぱり分かりませんでした。

「……はぁ。智哉さんって実はとてもエッチだったんですねぇ」

「……エイミィ、そんな事ここで言う言葉じゃない」

「うふふ。智哉さんも裸エプロン好きなのね。」

既に食卓に着いていた母さん達が色々言ってます。

「ええ、そりゃあ男のロマンですし。ま、勿論オレはフェイト限定ですけどね。」

そう言いながら智哉さんは抱き付いたままの私をヒョイと持ち上げ、お姫様抱っこの状態に。

母さんの口から出た『裸エプロン』と言う言葉を聞いた私は、顔が真っ赤でしょう。

それも自分でも判ってしまう程。

智哉さんは私を椅子に座らせ洗面所に向かいました。

それは良いんですが、ここは智哉さんの席。

私は訳が分からないまま椅子に座っています。

そんな中、洗面所から戻って来た智哉さん。

私をまたヒョイと持ち上げ、自分の椅子に座りました。

その直後でした。

なんと、抱えていた私を膝の上に乗せたんです。

私はどうして良いか分からず、俯くことしか出来ませんでした。

恥ずかしさの余り、頭の中が真っ白になってしまいました。

母さんとエイミィはニヤニヤして何か言いたそうな顔を、クロノは我関せずと言った様子。

「…フェイトは、これ…嫌?」

そんな私を見て、智哉さんが不安そうな声で聞いて来たんです。

「……えと、その……い、嫌じゃない……です…うぅ」

消え入りそうな声しか出ませんでした。

何も考えられない状態なんです。

声を出すにも何を喋って良いのかもまともに考えられません。

そんな中での精一杯の返事。

でも、智哉さんはそれだけで分かってくれます。

いえ、智哉さんだったら言葉にしなくても、智哉さんの大きくて逞しい身体に、私の小さな身体を預けるだけで分かってしまうでしょう。

もうどうしようもなくなって、そうした事も智哉さんにはお見通しなんです。

その証拠に、ちょっぴり苦笑した顔をみせましたが、直ぐに優しい微笑みの表情に変わったんです。

そしてもうお約束の行動。

私の頭を優しく撫でてくれました。

くすぐったいのだけれど、それでいてとっても落ち着く不思議な感覚。

「……智哉さん」

「ん?」

「夕飯、冷めちゃいましたね…」

思い出したように目の前の料理を見て、そのままの感想を喋った私。

作った私が沈んだ気持ちじゃ、智哉さんが自分を責めるに違いないのは分かっていたのですが、それでもやっぱり出来立てを食べて貰いたかったと言う想いが勝ってしまいました…。

「ハハハ、愛する人が心を籠めて作ってくれた料理ってのは、冷めても美味しいんだ。愛情と言う名の隠し味が入ってるからね。フェイトの手料理だって、溢れるほど沢山入ってると思ってるんだけど、オレの勝手な思い込みかな?」

智哉さんは私の気持ちを想ってそう言ってくれたんだと思います。

その優しさが、愛情が私の一番好きなところ。

でも、その一番好きなところを智哉さんは何時も私が怒っている時に使うんです。

ずるいって思うんですが、そんな感情なんか一瞬で吹き飛んでしまう位の優しさを、愛情を何時もくれる智哉さん。

だから、何時の間にか許せてしまうんです。

今だってそう。

さっきまで抱いていた感情はもう私の心にはありません。

「……そんな事、無いです」

「そっか。じゃあフェイトの愛情たっぷりな料理を戴こうかな。」

私の頭を撫でながら、料理を口に運ぼうとする智哉さん。

「…ぁ」

「ん?どうしたんだい、フェイト?」

ど、どうしよう。

声が漏れてしまいました。

智哉さんは私の声に気付いて箸を止め、私に尋ねます。

「………?」

頭に?マークを浮かべている様子の智哉さん。

思い切って言ってしまおうか?

「そのぉ……」

もじもじしている間に、智哉さんが口の前に箸を持っていきました。

「……うぅ」

思わず涙目で智哉さんを見上げてしまいました。

「………もしかして、フェイトがオレに食べさせてくれるのかな?」

「え?!」

「ふふ、フェイト。そう言う事をしたいのなら、ちゃんと旦那様にお願いしないといけないのよ?」

「フェイトちゃん頑張れ~」

母さんもエイミィも先程からずっとニヤニヤが止まっていません。

もうこうなったら言ってしまおう。

恥ずかしくて死んでしまいそうだけど。

私がしてあげたい事だから、私がお願いしないといけない事に関しては母さんの言う通りだと思ってるし。

「……えと……智哉さん」

「ん?」

智哉さんはずっと微笑んだ表情。

私が緊張しないようにしてくれてるのかな。

少しの間、智哉さんの顔を見ていると少しだけど気持ちが落ち着きました。

「その…えと、箸…置いてください」

「ん、分かった。」

短く返事をしたあと、掴んでいた煮物を戻して茶碗の上に載せる智哉さん。

私の言う通りに従ってくれました。

右手で茶碗の上に置かれた智哉さんの箸を使って煮物を掴む。

それを落とさないように左手で支えながら智哉さんの口元へ。

「智哉…さん。あーん、してください」

「あーん、はむっ…んぐんぐ」

「ど、どう…です…か?」

ゴクッと喉を通る音。

智哉さんの顔を見上げる私。

どんな言葉が出てくるのでしょうか?

早く感想を聞きたい。

でも、同時に聞きたくないと言う思いもあった。

智哉さんは多分、美味しくないとは言わないでしょう。

今の笑顔をずっと維持したまま、顔の表情を一瞬も変えることが無いのは、何となく分かるんです。

それが例えどんなに美味しくないものを食べたとしても。

でも………無理をしてでも笑顔でいられるのはもっと辛い。

母さんもエイミィもクロノも黙ったまま。

この無音である時間がとても長く感じられました。

途方も無い位に………

そんな思いに浸っていた時です。

「……何か、……何かとても懐かしい味がした。うん、凄く美味しいよ、フェイト。オレなんかのためにこんなに美味しいもの作ってくれて、ありがとう。」

屈託の無い笑顔で頭を撫でながら話した智哉さん。

その言葉を聞いた瞬間でした。

頬を何かが伝います。

指でそれを拭うと………

それは涙でした。

どうしてなのでしょうか?

嬉しいのに。

智哉さんに褒められて、とっても嬉しいのに。

嬉しい筈なのに、涙が止まりません。

「フェイト」

智哉さんに唇を塞がれました。

キス。

ほんの少し煮物の味。

「…フェイトのその涙、『嬉し涙』って言うんだ。」

「…嬉し…涙?」

「そう、その言葉通り、嬉し過ぎて感情が溢れたことで瞳から流れる涙なんだ。多分今のフェイトはそれだけ嬉しいんだろうね。」

「……はい。凄く…凄く嬉しい…です……幸せ…です」

私も涙を流しながらも精一杯の笑顔を智哉さんに送ったのでした。


















(…一口で終わり……だよね)

もっとしてあげたい。

そう思って智哉さんの顔をチラチラと見上げていた時です。

「フェイト」

「ふぇ!?あ、は、はい」

いきなり呼ばれたので、ビックリして素っ頓狂な声を上げてしまいました。

「どうした?大丈夫かい?」

「あ…はい。何でもありません。」

「そっか。それよりさ……まだ料理が残ってるんだ。」

「……ちょっと作り過ぎたかもしれません。お腹一杯ですか?」

「いやいや、そんな事は無いよ。ただね、もっとフェイトに『あーん』ってして貰いたいな~って思ってさ。」

その時、私は以心伝心したのかと思いました。

いえ。

以心伝心はもうずっと前からしているのでしょう。

もしかしたら、智哉さんが私が言い難い事を心で感じて自分から口に出してくれているのかも。

ホントのところは分かりません。

けれど、少なくても私はずっとそう思ってます。

「………ダメかな?」

「…そんなこと…ある訳ないです。寧ろ、私の方が…もっとしてあげたいって……思ってました…から。」

「凄く嬉しいよ、フェイトにそんな事言って貰えてさ。じゃあ…お願いして良いかな?」

「…はい!」

その日の夕飯は、今までで一番楽しくて、嬉しくて、何より幸せだった気がしました……。




















~後書き~

20話でした~。

どうでしたかね?w

ここら辺で漸く本編の半分を超えた辺りwwww

先はまだまだです……w

21話か22話に驚きの展開が待ってる!!

………………かもしれませんwwwwww

2008年3月26日水曜日

<第19話 再び交える剣>

二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』

















<第19話 再び交える剣>














相手はこれまでも主を守るため、数々の戦闘を繰り返して来た戦闘のエキスパート。

確かにオレはこの力を手にしてからは数多の困難を凌いで来た。

だがそれは相手も同じ。

一対一のタイマンならば勝てると自負している。

が、そんな状況はそうそう無いのも事実。

今回はそれに加えて、ベルカの魔導師の中でも高位の魔導師に送られる『騎士』の称号を持つ者達が相手。

それも今は死に物狂いで向かって来ているのだ。

手を抜けば勿論負ける。

こちらも本気を出せば良いのだが、相手を殺してしまえば本末転倒。

万が一殺してしまえば、はやてがまた一人になってしまう。

家族であるシグナム達が居なくなれば、悲しむのは分かり切っている。

それだけは絶対に避けなければいけない。

……そうなるとオレが出来る事は一つしかなかった。

向かって来る相手全てを戦闘不能に追い込むのだ。

最悪の場合、誰か一人で良い。

戦えない状態の者を人質に取り、無理矢理にでも話し合いをする。

それしか現状を打破出来そうに無かった。

出来ればそのような卑怯なやり方はしたくないのだが、この際仕方無い。

オレは考える。

誰を戦闘不能にすれば話し合いの場が出来る一番可能性が高いか。

直ぐに答えは見つかった。

ヴォルケンリッターのリーダーであるシグナム。

彼女を倒せば、万が一戦闘が続いても相手の戦力はガタ落ちだろう。

シグナムの戦闘力はフェイトを上回る。

攻撃に比重は置いているが、決して防御や回避を疎かにしない。

このタイプは非常に厄介な相手だ。

それに防御や回避に関しては、自らの意志で行っているようにはオレは思えなかった。

第六感が働いているのか空間認知能力に秀でているのかは判らないが、攻撃に対して瞬時に反応して合わせてくるのだ。

こういった相手を崩すのは並大抵な事ではない。

しかし、倒す事が出来ればその後の展開を優位に進める事が可能になる。

そんな事を考えながら、魔法陣が消えると同時にオレは突撃した。

直後、シグナムの目の前へ。

腹部へ突撃した勢いのまま蹴りを入れる。

が避けられ、避けたシグナムの後ろからザフィーラの拳が迫る。

それをオレは右手に持っていた剣で受け流しつつ、

≪ブレイク・インパクト≫

左手からゼロ距離で魔法をぶっ放す。

刹那、大爆発。

その中でヴォルケンリッターの気配を探る。

同時に魔法陣を展開。

「…………轟け、無慈悲なる氷結の息吹」

「うりゃああああぁぁぁぁああああああああ!!!!」

「ブリザード・アバランチ!!!」

上空に向けて腕を上げ光を放つ。

放たれた光は急激に辺り一面を冷やす。

急激に冷やされた空気は魔力によって全体に広がり、やがては煙を晴らした。

腕の上には巨大な氷塊が。

だが、その中にヴィータの姿は無かった。

間一髪で回避したようだ。

「ブレイク」

オレの言葉が引き金となり、氷塊は砂漠の空に輝きながら散った。

ヴォルケンリッターはオレを中心に囲んでいる。

(さて、ここからどうするか。)

















暫く回避に専念しながら対策を練っていた。

同時に相手を消耗させる事も忘れない。

彼等個々の戦闘力は確かに高い。

オレの目に狂いが無ければ、シグナムとヴィータはSランク相当の力があり、シャマルやザフィーラでもAAクラスからAAAクラスの実力を持っている。

だが、問題はそこでは無かった。

彼等は元々個人戦主体。

……………の筈だった。

しかしオレの目の前にいる彼等は、間違い無く連携を取って戦っている。

個々の戦闘力が元々高い上に、四対一で戦われるとこちらとしても戦い辛いことこの上ない。

この状況下でまともにやり合うならば、オレのリミッターを解除する他、解決策が見当たらなかった。

(アイーシア、少し……いや、相当オレ達が不利な状況なのは分かるね?)

≪はい。ヴォルケンリッターが相手である以上、現状のままでは相当辛いかと。≫

(……リミッターを二段階……いや、一段階で良いから解除してくれないか?)

≪解除は構いませんが、何故素直に二段階解除をしないのです?≫

アイーシアは不思議そうだった。

思念通話から容易に判る。

(………オレ達にとって最後の決戦、その時に起こり得る影響を少しでも減らすためにね。それに……)

≪……それに?≫

(これ以上、君に負担を掛けたくない)

何よりこれが理由だった。

≪智哉様……≫

(どうしてなのかは判らない。けど、オレは君が時々人間に見える事があるんだ。………根拠は全く無いんだけどね)

思った事を、ずっと前から思っていた事を話した。

色々考えはしたが、それっぽい答えは何一つ見つからなかった。

≪……ふふ≫

(お、笑ったな~?)

アイーシアの笑い声。

久々に聞いた気がする。

包容力のある、とても優しい笑い。

この笑い声に何度救われたか判らない。

≪申し訳ありません。智哉様からそのような言葉を戴けるとは思っていなかったので。≫

(以外だったかい?……それとも、オレらしくなかったかな?)

≪あ、いえ、そのような事は決して。その……智哉様…からのお言葉が……とても嬉しかった…ので。≫

嬉しいなんて事をアイーシアから言われるとは思っていなかった。

オレは今までで照れたような恥ずかしいようなアイーシアを見た事がない。

オレにとってのアイーシアは、何時も凛とした表情でいながらも、優しく諭すような声を持つ大人の女性。

まるで母親のような存在。

勿論デバイスなので想像だが。

(そっか。そう言って貰えたらオレも嬉しい。君には沢山迷惑をかけてしまったから。後少しの命なんだ。せめて燃え尽きるその日まで、今までかけた迷惑の一握りでも恩返しが出来たらって思ってる。)

≪智哉様…≫

「だから……だからこそ今!!こんな所で負けるわけにはいかない!!!!」

周りを囲むヴォルケンリッターに、砂漠の果てに居る者に聞こえる位に叫んだ。

短期決戦。

魔力を集中し、魔法陣を展開。

「アイーシア!ファーストリミッター解除!!」

≪…はい!ファーストリミッター解除承認、イグニッション!!≫

刹那、身体にかけられていた制御魔法が浮かび上がり、弾け消えた。

「…シグナム、この前聞いて来たよな?オレが騎士かって」

「ああ」

「オレは騎士ではあるが、ベルカの騎士ではない」

「……どういう意味だ?」

戸惑いを隠せない様子のシグナム。

無理も無いだろう。

『騎士』

この称号を受ける事が出来るのはベルカの魔導師、それも実力が秀でていなければならない。

だが、オレはシグナムに向かって『騎士』を名乗った。

「オレが今展開している魔法陣は確かにミッド式だ。だが、オレは仮面の男と戦った時にベルカの魔法も使った。これがどういう事か分かるか?」

「……てめぇ、一体何が言いたいんだ?」

ヴィータは相当じれったいようだ。

そんなヴィータを見て苦笑しながら答える。

「今この時代に、ベルカの魔法とミッドの魔法を同時に行使出来る魔導師なんていると思うか?」

「…そんな魔導師、存在する訳無いわ」

シャマルも不安が顔に出ている。

ザフィーラもオレの言わんとしている事に対して理解に苦しんでいる様子。

「…ただ一つの可能性を除いては」

そう言うとヴォルケンリッターは全員表情が変わった。

「……まさか、お前は」

シグナムが沈黙を破った。

不敵に笑いながらオレは話す。

「恐らくお前の思った通りだろうな。そう、オレは……オレの力は古代より存在するベルカの騎士『ヴォルケンリッター』とミッドの騎士『ハイメルリッター』双方の力を併せ持ち、双方を共に極限まで極めた者だけが足を踏み入れる事を許される、騎士の頂点、騎士の聖地とも言うべき最強の騎士団、『テンペルリッター』の力だ。」

アイーシアを構え、ツヴァイモードへ変形させた。

シグナム達も構える。

だが、気のせいなのかもしれなかったが、デバイスがカタカタと震えていた気がした。

それに、先程から表情に焦りが見えている。

叩くなら今しかない。

「巻き上がれ突風!切り刻め旋風!空波絶風撃!!」

身体を捻りながら、腕を縦ではなく横に振り抜く。

放たれた衝撃波が円状に広がりつつ、ヴォルケンリッター全員に襲い掛かった。

ヴォルケンリッターは難無く上空へ回避。

回避は問題無い。

初めから当てる気など微塵も無いのだ。

回避させる事で、こちらに向かって来る距離と時間を少しでも稼ぎたかった。

オレの思惑通り、自分の周りに魔力で生成したスフィアを計七つ展開。

これで第一段階は完了。

七つを壊されないように周囲に散らばすと同時にシグナムが上空からデバイスを振り抜いて来た。

≪パンツァーシルト≫

ガアアァァァアアアアアン!!!

「く………、ベルカのシールドか!?」

シグナムが唸った。

「……切り裂け天上の劫火!」

「…!?」

ラグナロクに紅蓮の炎が吹き上がった瞬間、シグナムが声にならない驚きを見せた。

「双龍一閃!!!」

シールドを解くと同時に放つ。

片方はシグナムに、そしてもう片方はオレの背後に回り込んで来たヴィータに。

ヴィータも攻撃しようと構えていたデバイスを咄嗟に盾としたようだが、そんな事で止められるような一撃ではない。

何せこの技の元はシグナムの必殺技なのだから。

幾ら双龍が分散したとは言え、龍の持つ一撃の重さはシグナムの放つ『飛竜一閃』に負けず劣らず。

ヴィータは受け止めきれず、龍に飲み込まれ大爆発。

シグナムの方もまともに直撃した様子。

それを確認したオレは、新たな魔法陣を展開しようとしたが、ザフィーラが攻撃を仕掛けに向かって来ていたのに気付き、散らばしていた全てのスフィアを迎撃に当てた。

ザフィーラを囲うように散らばっている七つのスフィアそれぞれから、一本の光線が発射されている。

しかし、その光線に一発も当たらず回避し続けるザフィーラ。

スフィアの攻撃如きでザフィーラが落ちてくれればそれに越した事は無い。

が、これは落とすためではなく、時間を稼ぎつつ、攻撃を受けずに相手との距離を取るための策だった。

展開しかけた魔法陣をもう一度展開、チャージを始めるオレ。

その時オレは感じた。

戦いには参加していないように見える、ヴォルケンリッターの一人、シャマルの魔力だった。

≪ブーストダッシュ≫

そこへアイーシアがオレのチャージを強制解除してまでオレを上空へ移動させた。

(!?一体どうしたんだ、アイーシア?)

≪智哉様も感じられたかと思いますが、あのシャマルという騎士は智哉様のリンカーコアを直接狙っているようです。≫

(それで強制解除までした訳だ)

≪はい、勝手をして申し訳ありません…。≫

新たに構え直したオレ。

(ハハ、オレの身を案じてくれた人がどうして謝る必要があるんだい?)

笑って答える。

(ありがとう)

そして短くそう告げた。

「……さてと、どうしたものか。のんびりチャージしていると背後からシャマルの空間攻撃、戦闘の先陣を担うシグナムとヴィータ、そして中堅を維持するザフィーラ。」

オレがこうして考えている間に、シグナムとヴィータは傷を癒しているかもしれない。

何か良い手は…………あるにはあるが。

(……アイーシア)

≪どうなされました?≫

(今から詠唱無しでフルバーストを放つ)

≪…!?≫

(ファーストリミッター程度の解除じゃ余りにも無謀なのは判ってる。けど、アイーシアにこれ以上無理をかければ君の本当の目的を達成する前に君自身が壊れてしまうのも否めない。)

≪ですが!≫

(そんな事をしたらオレの身体が壊れる、かい?)

アイーシアが口にするであろう言葉を先に言ってみた。

≪……はい≫

予想通りの不安そうな声だった。

アイーシアの言いたい事は最もだと思った。

けど、今のオレは大丈夫な気がした。

理由は分からない。

ただの何となく。

しかしそれは、何故か確信が持てた。

だから……

(こんなところでオレはまだ死ねない。君との約束を果たすまではね…)

≪………分かりました。ですが一つだけ我が侭を言わせてください≫

(ん?)

≪私が無理だと分かった時点でフルドライブモードを解除します≫

(…なるほど。そう来たか)

≪フルドライブモードを安全に維持したいのであればセカンドリミッター解除を。………これ以上は何も言いません≫

アイーシアは苦渋の決断だったようだ。

ここで負ければ確実に目的達成に影響が出てしまう。

けれどここで力尽きてしまえば本末転倒。

『オレだけに無理はさせたくない』

この想いがそうさせたのかもしれない。

これはあくまでオレの想像。

勝手にオレの頭で考えた妄想だ。

…でも、何故かそんな事を想っているのではないかと思えてしまった自分がいる。

それが表に出てしまった。

≪……智哉、様?≫

(ハハ。…いや、何でもないよ。じゃ行くぞ)

≪はい≫

「フューゼレイドモード!!フルドライブ!!!!」

≪フルドライブ承認しました≫

双剣がレールガンにして、両腰へ装着。

ザフィーラを囲んでいたスフィアを戻し、オレの周囲に展開。

シグナムとヴィータの姿もあった。

今、四人は固まっている。

両腕を伸ばし、手を広げた。

「受けよ!滅びの波動!!ルイン・アンデュレイション!!!!」

≪サンダーレイジ・エクスプロージョン≫

「≪フルバースト≫!!!!!!!!!」

刹那、両手より極太の白く輝く奔流、両腰からは紅蓮を纏った雷の奔流、そして周りに浮遊する七つのスフィアからは流星の如き緑色のレーザーが一斉に放たれた。

放たれた砲撃を前にザフィーラとシグナムが出てきた。

前衛に出てきた二人はルイン・アンデュレイションを受け止めようとする。

だが、まだ止まっていない紅蓮を纏う雷撃の奔流が後ろの二人を襲う。

ヴィータは自分を犠牲に、シャマルを逃がしたようだ。

一人一本の奔流を止められれば良いのだろうが、生憎たったの一人で抑えられてしまう程簡単にはいかない。

何せこちらは詠唱無しのお陰で、放つ前から大幅に魔力を消耗しているのだから。

ヴィータは逃げて行くシャマルを庇いつつ、二本の奔流を必死で受け止めている。

シグナムもザフィーラも押し続けた結果、地面に足を着かせることが出来た。

スフィアを防御の手薄な背後へ回す。

(今だ!!)

そう思って残りの魔力を一気に放出しようとした、瞬間だった。

「ごはっ!!」

吐血した。

その影響で奔流の威力も目に見える程落ちてしまった。

≪智哉様!?≫

(だ、大丈…夫…だから)

とは言ったものの、今の無理でヴィータとザフィーラに向けたスフィアが全て壊れてしまった。

これ以上失うわけにはいかない。

そして、まだ負けるわけにはいかない。

痛みに耐えながら叫ぶ。

「喰らええええぇぇぇぇぇええええええ!!!!!!」

刹那、奔流の太さが放った瞬間の二倍程に。

ドゴオオオォォォォォオオオオオン!!!!!!!!

地面に突き刺さり、大爆発。
















「……はぁはぁ……はぁはぁ」

地面に足を着けた瞬間、膝の力が抜けてよろめいてしまった。

巻き上がった砂塵、煙が晴れる。

傍にはシグナムが力無く倒れている。

騎士甲冑も大破。

遠くからボロボロのヴィータとザフィーラ、そして唯一無傷のシャマルが向かって来た。

「……はぁはぁ、大人しく話を聞いて貰おうか。いや、話し合いだな。その場から何かしようとすればシグナムが死ぬ事になるだろう。オレもこれ以上戦いたくないんだ。」

「……てめぇ!」

ラグナロクをシグナムの喉元へ突きつける。

「無益な戦いはしたくない。それに……これ以上戦うとはやてが心ぱ…」

グラッと視界が揺らいだ。

瞬間、身体に力を入れようとしたが叶わなかった。

ドサッ

その場に両膝から崩れ落ちた。

(くそ……こんな……ところで……)

(…ごめん…フェイ…ト……やく…そく……ま…もれ…そ……な……)

そして意識は闇の中へ消えて行った…………

















~後書き~

第19話ようやっと書き終わりました~……w
(;^-^A

中々良い文章が思いつきませんで…ww



さてさて、智哉君戦闘中に吐血。

オマケにぶっ倒れて意識まで失ってしまいましたw

この設定は外せませんでしたね、うん。

ここに繋げる為にかなり時間がかかってしまいました……orz



そろそろ終盤にさしかかろうかという所w

今後の展開に乞うご期待w

2008年3月14日金曜日

<第18話 意外な出会い>

二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』














<第18話 意外な出会い>
















旅館から出たオレ達は、この後どうするか話し合っている最中だ。

「私ははやてちゃんにお土産を渡しに行く予定ですので…」

「なら、オレがすずかを乗せて一緒に行こう。フェイトはリンディさん達と一緒に帰ってくれ。アリサは士郎さんの車だな。それで良いか?」

「「「はーい」」」

三人はオレの意見に賛同してくれた。

士郎さんも和麻からもOKサインが出たので、オレはすずかを車に乗せて先に出ようとした時、フェイトからちょっと待ってくださいと言われた。

「どうした、フェイト?」

「あの……えと、き、今日の夕飯は私が作るので、……そのぉ、…は、早めに帰って来て下さい…ね?」

もじもじしながらも全部言い切った瞬間、フェイトの顔が一瞬にして真っ赤に染まった。

頭のてっぺんから蒸気が吹き出してしまうのではないかという程。

そんなフェイトを見たオレは抱き締めたくなったが、今車の中なのでそれは出来ない。

代わりと言っては難だが、窓から身を乗り出してフェイトの唇を塞いだ。

一瞬身体がビクッと震えて強張ったが、直ぐに力が抜けていくのが判った。

オレに身を委ねてくれている。

フェイトの肩を、身体を支えながらも唇は離さない。

それがオレを受け入れてくれているフェイトに対する意思表示。








暫くしてどちらからともなく離れた後、フェイトはとろんとした目でオレを見つめている。

「フェイトの心の篭った手料理、楽しみにしてるよ。」

そう言って微笑みながら、フェイトの頬を優しく撫でた後、車を走らせた。









私は智哉さんが先に旅館を出てから少しの間ずっとその場でボーッとしていました。

我に返り、皆の方に振り返るとなのはとアリサだけが何故か顔を赤くしていたんです。

二人がどうして顔を赤くしているのか、理由が分からずにいると横から声を掛けられました。

「フェイトちゃん、見せ付けてくれるねぇ~」

「うふふ。ホント智哉さんと仲が良いわねぇ~。見てるこっちが恥ずかしくなるくらい。」

「……全く、少しは場所を考えることをしたらどうだ?」

「フェイトちゃんって見た目より大胆だったのね」

「そうだな。私達も負けてはいられないな、桃子さん。」

エイミィ、母さん、クロノ、そしてなのはのお母さんとお父さんの桃子さんと士郎さんまで私の事を茶化して来たんです。

それで漸くなのはとアリサの顔が赤くなっていた理由が分かりました。

分かったのはいいのですが、分かった事に、いえ、分かってしまった事で皆さんの視線が恥ずかしくて。

私は顔のやり場が無いので、仕方無くその場で俯くしか方法はありませんでした。

「……うぅ~」

確かに智哉さんを引き止めたのは私ですが、最後のキ、キスは智哉さんからだったのに………。

と言いたかったのですが、言ったら言ったでまた私が何か言われてしまう訳で。

本来なら智哉さんが言われるのでしょうけど、こうなる事を予想してか、丁度先程この場を後にしたばかり。

うぅ~。

智哉さんが帰って来ても、私口利きませんから!

智哉さんが意地悪するからいけないんです。

それから暫く、私は色々な人に弄られてしまうのでした……。



















車を走らせてどの位経っただろうか?

ふと時計を見ると、出発してからおよそ二時間が経過していた。

「もうそろそろ着きますので。」

丁度良いタイミングにすずかが話し掛けて来た。

「へぇ~、はやての家ってこの辺なのか。」

「そうなんですよ」

助席に座って道を案内してくれていたすずか。

オレの何気ない呟きに、軽く頷いて返してくれる。

長い時間の運転でまだ着かないのかと思っていたのが顔に出てしまったのか、それを気にしての事なのかもしれない。

普段はそんな事は思わないのだが。

寧ろずっと運転していても飽きない方だ。

しかし、今日だけは何故か違う。

恐らく早くはやてにお土産を渡してビックリした顔を拝みたいという好奇心からだろうとオレは思った。

そんな事を色々考えていると、

「あ、ここです!」

すずかの声がした。

同時にブレーキ。

住宅地に入った辺りから余りスピードは出してなかったので、咄嗟に踏んでもそんなに急なブレーキは掛からなかった。

「よーし、漸く到着だな~。」

車を降りて大きく欠伸をしつつ、伸びをする。

すずかも降りて、一緒にお土産を手にはやての家の呼び鈴の前に立つ。

「どんな顔するだろうな?」

「ワクワクしますね」

オレはすずかにどう思われただろうか。

それ程今のオレは童心に帰っていることだろう。

目の前に現れる友達を前に、悪戯を決行しようとしているような子どもみたいに。

すずかと二人でこれから起こる事にワクワクしながら呼び鈴を鳴らした。

『はい』

呼び鈴に応答した声ははやてとは違った。

静かで凛とした声。

どこかで聞いた覚えのある声だった。

誰だったかを思い出そうとしていると、ガチャッと言う音と共に玄関のドアが開いた。

すずかが先に入り、後からオレもお邪魔した。

中に入るとそこには…………
















「な!?」

驚くポニーテールの女性。

桃色に近い、明るい紫の髪の色。

オレの目に狂いが無ければ、目の前に居るのはヴォルケンリッターの将である、シグナム。

そう、彼女は間違い無くオレの姿に驚いている。

彼女が、シグナムがここに居るという事は、他のヴォルケンリッターも居る訳で。

そうなると、この家の家族の誰かが闇の書の主となる。

オレははやてに聞いた。

家族はいるのかと。

その時はやては一人だと答えた記憶がある。

(……なるほどな)

シグナム達の守るべき主ははやて。

だが、はやては世界を変えようとする様な悪い子ではないこと位、一度会えば誰でも想像がつく。

とそこへ……

「シグナム、どちらさんや?」

頭で思考を巡らせていると、家の主であるはやてが何時まで経っても戻って来ない事を心配したのだろう、車椅子に乗ったまま顔を出しに来た。

「こんにちは、はやてちゃん」

「あ、すずかちゃん!それに智哉さんまで。どないしたん?」

やはりオレ達の突然の来訪に少々驚いているようだった。

横目ですずかを見ると、すずかもオレと同じような顔をして、こちらを見て来た。

「昨日から温泉旅行に行っててな、帰りにお土産をと思って来た訳さ。」

左手で持っていた紙袋をヒョイと持ち上げて見せる。

はやては心底嬉しそうな顔をして、折角だから上がってってとオレとすずかを招き入れてくれた。

すずかは先にお邪魔しますと言って、シグナムの横を通り過ぎた。

オレも靴を脱ぎ、お邪魔しますと言いながらシグナムの横を通り過ぎようとしながら、首から提げていたアイーシアをシグナムに手渡す。

「……共に戦うオレのパートナー、アイーシアだ。ここに居る間の保険位にはなるだろ」

そう小声で呟いて。












(シャマル、大至急念話の妨害結界を張ってくれ!)

(シグナム?そんなに慌てた声で、一体どうしたの?)

(神崎智哉の侵入を許してしまった。)

(え!?)

(本人からは全く魔力反応を感じられなかったから連絡は取っていないだろうが……)

(――!!わかったわ!!!)

慌てているシグナムから簡単な事情を聞いたシャマル。

直ぐに結界を張って、念話の妨害をする。

シグナムは思った。

何故、智哉は私と会った時直ぐに念話を使わなかったのか?

何故、自分のデバイスを自ら渡して来たのか?

智哉の行動を理解出来ずにいた。

一度戦った相手の事は忘れない。

それも強ければ強い程。

智哉は恐らく、今までシグナムが戦った敵の中で最も強い。

強い相手程隙が無いのは判りきっている。

しかし、先程横を通り過ぎた智哉は隙だらけだった。

寧ろ、自分のデバイスを渡してしまっている。

これでは殺してくれと言わんばかり。

考えれば考える程、意図が分からず頭が混乱していくシグナム。

だから今は智哉がこれ以上妙な動きをしないか細かな動きまで見張る事にしたのだった。










「なのはちゃんとフェイトちゃん、アリサちゃんは家の用事で来れなかったから、三人分のお土産です。」

「それで、これが私からのお土産。お菓子だから、家族で仲良く食べてね」

「ホンマにわざわざありがとな~。早速やけど、開けてみてええ?」

二人が楽しそうに会話しながら、はやては紙袋からお菓子の入った箱を取り出し、包装を解こうとした所を制する。

「オレからのプレゼントが無いとお思いか?」

「ふふ、そんな事あらへんて。ちゃんと期待させてもろてるよ~」

小さい方の紙袋から十字架のペンダントを取り出した。

銀色に輝き、中心には小さいが真っ白な宝石が埋め込まれてある。

ペンダントを取り出して少し経った今、白い宝石が淡く光りだした。

恐らく結界か何かに反応しているのだろう。

「それ、私達も智哉さんから貰ったの。皆お揃い」

すずかも胸元で光る同じペンダントをはやてに見せた。

すずかに送ったペンダントの中心の紫色の宝石もまたはやてのと同じように淡く光っている。

「綺麗やね~。ありがとう、智哉さん!」

はやては嬉しそうにしてくれた。

その笑顔を見れただけでオレは満足だった。

とそこへ。

「主はやて、暫し彼をお借りしても宜しいでしょうか?」

シグナムから直々にお誘い。

恐らくペンダントの事だろう。

「シグナム?急にどないしたん?」

まあ、疑問に思うのは当然だろう。

面識がないと思っているはやてだからな。

いきなり知らない相手に声を掛けて、どうするつもりなのだと言いたいのだろう。

「ああ、オレは構わない」

だからオレは極自然に返事を返す。

「そうか?ほんなら二人とものんびりしてきてええよ~」

オレの自然な対応を見たはやてから許可を貰った。

「では失礼します」

シグナムははやてに一礼してテラスに出た。

オレも後を追う。

テラスに出たついでに傍にあった椅子に適当に腰を下ろし、シグナムから口を割るのを待った。

「………あのペンダントは何だ?」

「ま、そう来るだろうな。あれは単なるお守りさ。さっき淡く光っていた宝石みたいなのはオレが売り物に付与した物で、デバイスが主を守るために使う、自動防御のような物だ。」

「……と言う事は、管理局とは関係無いのだな?」

「そうだな。っつーか、結果から言えばオレは管理局側にいるが、それは目的のためであって、局の任務を遂行するためにいる訳じゃない。それに、まあ見れば分かると思うが身体への影響は無いから心配する必要は無いぞ。」

「……今、主はやてはご機嫌が良い。それをお前とこうしている事で険悪な雰囲気を漂わせて損ねたくは無い」

「それ位、オレも分かっているさ。今は友に会いに来た何処にでも居る普通の青年だ。」

そう言ってシグナムに微笑みかけるのだった…。
















「…お、もうこんな時間か」

シグナムと一対一で話し合ってから少しして、はやてとすずかの二人の談笑に加わった。

他愛無い会話をしている時、ふと時計が目に入る。

楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまうと言うが、これ程早く感じたのは何時以来だったろうか。

フェイトと一緒に居れば何時も早く感じるが、実際まだ遊びに連れて行ってないので、それも考えなければと思った。

余命は残り少ないのだから……

「さて、すずか。悪いんだけど忍さんにでも迎えに来て貰えないか?オレはこれから少し用事があるからさ。」

「はい、わかりました」

すずかが携帯を取り出して電話を掛けた。

二十分弱経った後、忍さんが迎えに来た。

「すいません、忍さん。オレが妹さん連れて来たのに送りもせず、わざわざ迎えに来て貰って」

わざわざ来て貰った忍さんに、謝罪とお礼を込めて礼をした。

「いえいえ、旅館の行きも妹がお世話になった事ですし、気にしないでください」

オレの姿を見て苦笑しながら話す忍さん。

ホント優しいな。

恭也は幸せ者だ、全く。

すずかを乗せた忍さんの車が曲がり角を曲がるまで見送る。

「……さてと。オレもそろそろ帰るとするか。はやて、風邪引かないように注意するんだぞ?」

「はーい」

返事を待ってから頭を撫でて、車に乗り込んだ。

車を走らせ、はやての家から少し離れた曲がり角を曲がる。

ここは先程忍の通った道ではない。

曲がって少し進んだ場所に車を停車させる。

その場で数分止まっていると、予想通り冬用のコートを着たシグナムとシャマルが現れた。

窓を開け、二人に乗るよう指示をした。

シグナムとシャマルを乗せて、暫く車を走らせる。

その辺に適当に車を放置しておくとレッカー車で知らない場所へ運ばれてしまうので、オレは何処か長く車を止めていても問題無い場所を探していた。

そこへ置いていてもバレなさそうな良い場所が見えて来た。

とあるカラオケ屋だ。

明け方まで営業しているため、ここならバレないだろうと車を止めた。

「シグナム、そろそろアイーシアを返してくれ。このままだと転移先への座標設定が安定しない。」

「……わかった」

シグナムからアイーシアを受け取る。

オレ達は別世界に転移、この世界から消えた。
















転移先に選んだのは名も無き砂漠の地。

オレとシグナム、シャマルは一緒に転移して来た。

先に転移していたのか、転移近くにヴィータとザフィーラも居た。

「……お前には二つの選択肢がある」

少しの間をおいて、シグナムが口を割る。

シグナムの話が終わるまでオレは口を割らないつもりだった。

シグナムはそのまま続ける。

「……一つは我々と共に闇の書の蒐集へ加担するか、そしてもう一つは、今ここで闇の書にリンカーコアを吸われるか。二つに一つだ。」

予想通りの選択肢にオレは堪えきれず笑い出す。

「……てめぇ」

怒りを押し殺しながら声を出すヴィータ。

「……はぁ、笑ったな。余りにも予想していたのと同じだったんでついつい笑ってしまった。」

何とか笑いを堪え、漸く収まった。

「……答えを聞こう」

笑いが止まったのを見計らってか、シグナムが答えを求めて来た。

「頭の固い、お前等らしい選択肢だと思うぜ」

嘲笑って口にしたオレ。

「……何て言われようがはやてを助けるためだ。痛くも痒くもねぇ!」

先程怒りを懸命に押し殺していたヴィータが言う。

「我々に加担しないと言うのならばそれもそれで構わない。だが、そうなればこのまま返す訳にはいかない。お前には悪いが、リンカーコアを奪った上で記憶を消させて貰う。主はやてが闇の書の主と言う事実を知ってしまった以上、管理局に話されてしまうと手遅れになるからな。」

そう話すシグナムはあくまで冷静だった。

シグナムの言葉を聞いてオレは呆れた。

溜め息も出た。

「……何故他の方法も探そうとしない?お前達が局の定める法を犯してまではやては生きようとは、生きたいとは思わないぞ!?」

「…………たさ」

声の方を振り向く。

すると、ヴィータが震えていた。

「探したさ!!!!探したけど、結局この方法しか、この方法でしかはやてを救う事が出来ないんだ!!!!」

震えながらも、砂漠全体に聞こえる程声を張り上げたヴィータ。

「オレは探し足りないって言ってるんだ!はやては他のマスターとは違っただろ!?お前達が局の牢獄に入れられたらアイツは、はやてはどう思う!?そんな事を考えた事があるのか!?」

「……仕方無いんです!!ヴィータちゃんは悪くありません!!!一番に傍に居た私が気付いた時にはもう時間は残されていなかったんですから!!!!」

シャマルの方に向き直る。

涙を流しながら必死にヴィータを庇うシャマルの姿が目に映った。

「……あたし達の邪魔をするなら」

その時、背中から声と共に殺気が感じられた。

「誰だろうと、容赦はしねええぇぇぇぇぇえええ!!!!」

後ろを振り向く。

何時の間にかバリアジャケットを纏っていたヴィータが鬼神の如き顔で迫って来た。

「ちぃ!」

オレはヴィータの攻撃を寸前で回避。

「人の話を聞け!!!」

ヴィータの一撃で巻き上がった砂塵を避けるため、更に後方へ下がると同時に、オレは声を張り上げた。

が、それも効果は無く、巻き上がった砂塵の中からヴィータが更に追撃をしようと突っ込んで来た。

「ヴィータ!!!!」

シグナムが叫んだ。

声が轟く。

オレの目の前でヴィータが留まった。

鬼神の形相は今も変わらない。

「……これが最後だ。答えを出さない場合も拒否の反応と思わせて貰おう。見れば判るだろうが、ヴィータが限界だ。私が止められるのも今の一回だけだろう。」

冷静なシグナムから決断を迫られた。

だが、オレの答えはただ一つ。

答えを求められた時から言うべき事は決まっていた。

「……フ、オレの答えはシグナム、お前が出した選択肢、そのどちらでも無い。オレはオレのやり方ではやてを救ってみせる!」

「……フ、そうか」

シグナムは笑いながら続けた。

「いや、実際に我等に協力をすると言い出した場合どうするか悩んでいた所だ。お前らしい答えで安心している。」

そう言ってデバイスを構えた。

「余裕の表情だな。だったら何故他の道を探そうとしない?」

「ヴィータが言った筈だ。……我々には時間が無い」

一変して表情が暗いどん底に落とされたようになる。

暗い心の波動をオレは感じ取った。

シグナムが顔を起こす。

それは先程のヴィータと同じような顔だった。

鬼神の如き顔。

そしてその時は来た。

「……悪いが、お前を帰す訳には行かない!!!!」

ヴォルケンリッターの将であるシグナムが突っ込んで来た。

リーダー自ら戦いを始めると言う事は、残りのメンバー全員が戦いに参加して構わないと言う合図でもある。

デバイスを振り下ろすシグナム。

それを回避するが、避けた方向を誤った。

「うりゃあああぁぁぁぁぁああああああ!!!!」

声のした方向を振り向くと、既にデバイスを叩き付けようとしていたヴィータがいた。

地面に手をついて無理矢理避ける。

(くそ、オレにはこいつ等と戦うしかないのか!?)

オレは距離を取って、

「お前等の騎士としてのプライドはその程度なのか!?」

激昂してはいるが、それはシグナム達の心に呼びかけるため、そして訴えるため。

オレは出来れば戦いたくなかった。

戦えばオレも全力を出さねばならない。

そうなれば、傷付いたこいつ等を見て悲しむ子がいる。

はやての涙は見たくない。

無論、フェイトだって同じ……いや、それ以上だが。

「オレがお前達の側に回って話をすれば良いだろ!?管理局はそこまで馬鹿じゃない!!!」

最後の最後まで説得を試みる。

だが、最早オレの目の前にいるやつ等は聞く耳持たない状態だった。

完全に話し合いにならなくなったのだ。

(くそ!!!!!!!!!)

「アイーシア!!」

≪…認識完了しました≫

「全てを守るため、この無益な戦いに光を!そして、終焉へ導け!!出でよ、聖剣、ラグナロク!!!」

叫びと共にオレを中心として広がる魔法陣。

それは契約した者のみ入る事が許される聖地。

何人たりともその聖地に踏み込む事は叶わない。

オレに攻撃しようと突っ込んで来たヴォルケンリッターは、全員魔法陣に弾き飛ばされた。







「……アイーシア」

≪はい≫

「不殺殺法でいくぞ」

≪ふふ、そう言うと思いました。了解です≫
















~後書き~

第18話書き終わりましたですw

中々急展開だと自分では思ってますw

普通は友達にお土産持って行ったら敵が家族だったみたいな状況は無いでしょうからねww

19話は戦闘シーンが主ですw

2008年3月11日火曜日

見ないほうが身のためらしいぜ?(少し訂正w)

バトン名不明wwww

題名に《見ないほうが身のため》と書くらしいが……w

■名前は? →夢幻と言っておきましょう。

■歳は? →21歳と約!一ヶ月

■寝るの好き? →布団入ったらの○太の如く直ぐ寝れます。

■彼氏=彼女いる? →ご想像に任せます……と言いたいのですが、オレには智代がいるのでw

■タイプは? →坂上智代

■元カレ=元カノの人数は? →最初も最後も智代だけ。

■S=M? →それは知らん。

■今何してる →静かな環境でバトンを受け取った。

■野球派?サッカ-派? →熱血野球青年とでもしておこうw

■煙草吸ってる? →吸ってない

■吸ってる人は種類何? → 吸ってないってw

■お酒飲める? →飲めるが普段は飲まん。

■夜働いたことある? →あるぜよw

■バイトしたことある? →ある。そして、金無い……。

■何才に見られる? →見る人によります。

■ぶっちゃけ何人に告られた? →これも想像にお任せしましょうかw え、智代?智代にはオレが(ry

■髪何色? →黒だが、ナチュラルにほんの少しだが茶がかってるらしい。

■ピアス何個あいてる? → 穴開けるの痛そうだからしない。

■身長何センチ? →約180cm

■携帯の機種はどこ? →ドコモダケ


見た人は素直にコメすること

次いこうか。


~ツボバトン~

アニメや漫画・ゲームのキャラであなたがツボにくるものを、あらいざらい答えて下さい。

1.ツボる目→智代の目

2.ツボる目の色→智代の瞳

3.ツボる髪型→男は女の子並みに長くなきゃおk。女の子はロング且つストレート

4.ツボる髪の色→智代の髪

5.ツボる服装→可愛かったり格好良いと思えれば何でも良いんじゃね?

6.ツボる声(男)→え、若本さんでしょ?wwww

7.ツボる声(女)→一色ヒカルさん、そして桑島法子さん

8.ツボる装備→え……辞書?

9.ツボる武器→間違った、こっちが辞書だなw

10.ツボる性格→智代の性格

11.ツボる一人称→…………我輩?wwwwwwwwwwwwwwwww

12.ツボる設定→普通に喋れるオウムでしょうw

13.回す人を5人

個人的に解答を見てみたい奴だけ強制ww

他はご自由にw

・無夢むむさん
・舞い人さん
・羅威火さん
・シャニさん

あ、既にやったことあるなら強制では無いのでww

こちらは智代ばかりになってしまったww
ツボるって意味に当て嵌まっていないと思われた方!
気のせい………でしょうwwwwwww

2008年3月9日日曜日

<第17話 天国と地獄>

二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』













<第17話 天国と地獄>














全員が席に揃い、士郎さんが代表して挨拶をする。

その言葉を聞きながら、チラッと隣にちょこんと正座しているフェイトの方に目を向けた。

フェイトと目が合ってしまう。

オレは気付けば自然と微笑んでいた。

オレの向けた微笑みに、フェイトも屈託の無い笑顔で答えてきた。

その時。

「それでは、いただきましょう。」

『いただきまーす!』

オレとフェイト以外の全員が一斉に声を合わせた後、それぞれのペースで晩御飯を食べ始めた。

「じゃ、フェイト。オレ達も食べようか。」

「そうですね、いただきましょうか。」

「「いただきます。」」

両手を合わせて、料理に対して、そして腕を振るってくれた人に対して感謝を述べる儀式。

暫くは和気藹々とした雰囲気で皆楽しそうに会話しながら食事をしていた。

「……ふぅ、少々飲み過ぎたか。恭也、和麻、オレはこれで終わりにするよ。」

「何だ、智哉。もう限界か?」

「お前はこういう事に関してだけ妙に堅いな。」

「飲んで酔っ払って、辛い思いするのは自分なんだ。それに飲み過ぎは身体に毒だって知ってるだろ?付き合い程度に飲めるのが一番良いんだよ。」

そう言って二人から離れるため、立ち上がろうとした。

が、急に腕を掴まれたので立つことが出来なかった。

掴んだのは誰かと内心少々苛立ったが、掴んだ人を見てオレは呆然としていた。

いや、するしかなかった。

「ともやさ~ん」

俺の腕に両腕を絡めて来たのは、他の誰でもなく、フェイトだった。

「フェ、フェイト?!一体どうした………って待て。これ梅酒だよな……って凄い度のキツイやつじゃないか!?まさか…?」

「うにゅ~」

一向に離れようとしないフェイト。

そして、和麻も同じくなのはに襲撃されていた。

「おうおう、二人揃ってイチャイチャか?それも目の前で。」

「冗談は止してくれ。オレはもう今日は飲まないって決めたんだ。」

そうキッパリ答えたオレ。

だが、それが運のツキだった。

「え……?……智哉さん、もう飲まないんですか?」

オレの腕に掴まっていたフェイトには十分過ぎる程聞こえた事だろう。

さっき恭也に言った言葉でか、フェイトは瞳に涙を溜めていた。

今にも泣き出してしまいそうな程に。

そして、同時にその表情で上目遣いになる。

オレの腕に抱き付いている状態だから、自然とそうなるのだ。

これがまた男の性なのだろうか?

酔っているからこうなるのは仕方の無い事だと分かっていながら、少々浴衣が乱れ、それでいて無防備な姿を目の前で晒している少女、愛するフェイトに欲情してしまう自分がいた。

何とか欲情を沈めようと努力しているオレ。

だが、少ししてフェイトに何も反応を返していない事に気が付いたが既に遅く、フェイトは泣き出してしまっていた。

酔っているフェイトに効くかどうかは判らないが、とりあえず何時ものように頭を撫でながら、

「分かったから、フェイトと一緒に飲んであげるから泣かないでくれ。」

「………ほ、ほんとう……ですか?」

「何時も言ってるだろ?フェイトの涙は見たくないって。だから、ね?」

どうやらオレの言葉で機嫌を取り戻してくれたのか、笑顔に戻ってくれた。

しかし笑顔と引き換えに、オレのグラスには溢れんばかりに梅酒が注がれてしまった。

先程まではグラスに半分程度の量を入れ、氷と一緒に何かしらで薄めて飲んでいた。

だが今オレの目の前に注がれたのは梅酒の原液。

それもそこら辺で売っている度数の低いものではない。

梅のエキスを日本酒等で割った、本当の梅酒。

この梅酒は一度飲みはしたが、グラスの四分の一程度しか入れなかった。

酒の濃い臭いがしたからだった。

オレは一応グラスは持つが、自分でも表情が引き攣ったのが判ってしまった。

これ以上、いや、この原液を飲んだだけで危ないと脳が危険信号を発しているのが原因だろう。

しかし、このまま飲まずにいたらフェイトが泣き出してしまうのも容易に予測出来てしまう。

その前に手を打たなければ!

そう考えたオレはフェイトに一つ提案する。

「フェイト、一つ良いかい?」

「………はぃ?」

「これ飲んだら、部屋に行きたいんだ。だから一緒に飲むなら部屋で飲もう?」

部屋に行けば直ぐにフェイトを寝かせる事も可能だったためだ。

そしてオレ自身も、この一杯を飲めば酔って眠ってしまったフェイトを部屋まで連れて帰る自信も無かったため、保険にもなると思った。

それに……

フェイトのこんな姿を他の奴等にこれ以上見られたくないとも思ってしまった。

…まあ、要するにだ。

今の艶かしいフェイトを独り占めしたいと思ってしまったのだ。

酒によって、普段の恥ずかしがり屋なフェイトから一転、浴衣が丁度良い具合に肌蹴たのも重なって、少女の姿をしながらも大人の女性を思わせる色気を放っているフェイト。

そのフェイトが目の前で、オレの腕に抱き付いている。

こんな状況に遭遇したら誰だって脳が逝かれるに違い無い。

現に、オレはギリギリで理性を保っている状態なのだ。

酒に酔ったフェイトの色気に頭がクラクラしている。

幾ら酒に制限をかけてはいても、先程までは全く問題無く行動出来る状態だった。

だが、今この状況で歩けと言われた場合、オレは真っ直ぐ立って歩ける自信が無い。

少しでも気を抜けば、今腕に抱き付いているフェイトに何を仕出かすか判ったものじゃない。

それ程までに不味い状態なのだ。

「……ここじゃ嫌なんですか?」

オレの提案に納得がいかないのか、フェイトが涙ぐんで尋ねて来る。

(……フェイト、涙は卑怯じゃないか)

オレが泣かれると断れないのを知っててそうしているのか?

最悪この場にいなければならない事も頭の隅で考えながら、フェイトに聞き返す。

「……フェイトはここが良いのかい?」

「皆さんと一緒の方が楽しいです。……智哉さんは楽しくないですか?」

オレの腕に抱き付いたまま、今すぐにでも泣いてしまいそうな声を出すフェイト。

フェイトの瞳は涙でたくさんだった。

(…ふぅ、これでダメなら仕方ないな)

「オレは今、フェイトと二人で静かな部屋にいたい気分なんだ。部屋だったらフェイトとずっと一緒に飲んで上げられるし。……フェイトは嫌かい?」

今、オレが口にしたのが頭で考えられた限界。

フェイトの心を動かすため、更にオレは頭を撫でてあげた。

暫くフェイトの反応が無かったので、オレはふとフェイトの顔を覗く。

すると、腕に抱き付いたまま眠っていたのだ。

(……た、助かった~)

そう思うと自然と大きな溜め息が出た。

漸くこの場から離れられる。

「ハハハ、漸く開放されたか。」

「……恭也、ずっと見てないで少しは手伝ってくれても良かっただろう?」

「だが、実際満更でもないだろう?フェイトちゃんに抱き付かれた時の顔、一瞬だがニヤけてたしな。忍も見てたから判っただろ?」

「ふふ」

「忍さんまで笑うんですね。酷いな~。」

オレはもう苦笑いするしかなかった。

今、何を言い訳しても恭也と忍さんには勝てる気がしなかったからだ。

ふと下を向くと、スヤスヤと規則正しい寝息を立てているフェイト。

寝顔が物凄く可愛かった。

(人の苦労も知らず、安らかに眠って……)

明日起きたら少しフェイトを赤面顔にしてやろう。

そう決めたオレは、二人に寝るわと言ってフェイトを起こさないようお姫様抱っこして部屋に戻った。

そして、フェイトをベットに寝かせたオレもそのまま眠りについたのだった。

ちなみに、腕枕をした状態。

もう片方の腕は、フェイトの身体に回す。

俺が動いてもフェイトがベットから落ちないようにするためだ。

まあ、この状態でフェイトが起きたらどういう反応をするのかが楽しみであるのは間違い無いが。




















次の朝。

目が覚める。

どうやらまだフェイトは起きていないようだ。

起きた後の反応が楽しみなので、このまま動かないでいよう。

フェイトの可愛い寝顔が目の前にある。

…………

暫くジッと見ながらオレは考える。

フェイトが大人になったらどういう寝顔をしているのだろうか。

今、この時と変わらず可愛いのだろうか。

それとも、寝顔だけでオレの頭がクラクラする程綺麗になっているのか?

いや、そこまでいけば最早絵にもなるかも知れない。

本気でそんな事を考えていると、フェイトがもぞもぞと動いた。

自分の思うような動きが出来ないでいる様子。

まあ、オレが左腕をフェイトの身体に回しているから出来ないのは当然だろう。

終いには、薄っすらと目を開けた。

自然に声を掛けてみる。

「おはよう、フェイト」

「おはよぉございまひゅ~」

…………………

それから暫くの間、沈黙が続く。

長い沈黙を割ったのはフェイトだった。

まあ、オレはフェイトの反応を見ていたかったからずっと何も喋らなかったんだが。

「……あのぉ」

「ん?どうした、フェイト?」

「え……と、そのぉ……どうして智哉さんが傍にいるんですか?」

「フェイトが酒飲んで酔って、オレの腕に抱き付いてずっと離れなかったんだ。フェイトが眠ってしまってからもずっとオレの腕に抱き付いたままで。オマケに部屋に戻ったら目を覚ましたのか、一緒に寝ましょうって言ってたんだよ?覚えてないのかい?」

最後の方は出鱈目だが、面白そうなので付け加えてみた。

すると、フェイトは顔をオレの胸に埋めて来た。

ふと首筋が目に入った。

なんとそこまでも赤くなっている。

首まで赤くなっているという事は、顔はもっと真っ赤になっている、なんて想像は簡単で。

(フェイトなりに余り動けない状況で、オレに顔を見られない様にするため顔を埋めたのか。)

「……うぅ、智哉さんのいじわるぅ」

顔半分だけ隠して、オレの顔を覗きながら消え入りそうな声で喋ったフェイト。

顔は半分位しか出てなかったが、それでも赤いかそうでないかくらいは容易に判断出来た。

それより何より、今この状態のフェイトは物凄く可愛いと思った。

勿論笑顔もそうだが、こんなフェイトはあまり見ないというか、今回が初だったこともあってかオレにとって破壊力抜群だった。

「寝起きのフェイト、物凄く可愛いよ」

そう口にしながら、気付けばフェイトを抱き締めていた。

「あぅぅ」

抱き締めた途端、俯いて顔を隠してしまったフェイト。

抱き締めた腕を解き、身体を起こしてフェイトにたった今思い付いた事を提案してみる。

「フェイト、おいで」

膝の上にと言う意味で、人差し指を膝に向けた。

フェイトは直ぐにオレが何を言いたいのか分かったのだろう。

ベットに横になったままの状態から身体を起こすが、オレの傍に行こうか行くまいか迷っている様子。

躊躇しているフェイトに対して、オレは少々強引な策に出た。

「…?!」

フェイトをオレは抱き寄せた。

苦しくないように腕の力は抜いていて、嫌だったら抜け出せるようにしておいた。

今はフェイトに両腕を添えているだけの状態。

「………」

暫くの間、この状態が続いた。

オレもフェイトもただこの状況を受け入れている。

フェイトの温もりが直に伝わる。

ずっとこの温もりを感じていたいと思っていた矢先だった。

「フェイトちゃん、起きてる?一緒に朝ごはん食べに行こうよ。」

なのはからのお誘いがかかった。

フェイトはオレを見上げた。

どうしたら良いですかと言いたげな顔だった。

オレの言葉を待っているようなので、微笑んで一言。

「行っておいで。オレはオレで後から行くからさ。」

「……行っても良いんですか?」

「フェイトが行きたくないって言うなら止めはしないけど?」

少し口調を何時もの悪戯をした時のようにして、フェイトに話してみた。

すると、フェイトは予想通りの反応をしてくれた。

「……もう。後で一緒に食べて欲しかったって言っても遅いんですからね?」

そう言いながらも、何となくオレには膝の上が名残惜しそうに見えたが、フェイトの機嫌を損ねそうだったので口には出さなかった。

先に行ってますねと言って、フェイトは部屋を出る。

部屋を出る前に振り返った時も、オレから離れたくなかった様な顔をしていた。

「……やれやれ」

苦笑するオレ。

だが、直ぐに苦笑する余裕も無くなり、洗面所へと駆け込んだ。

「がはっ……」

≪智哉様!大丈夫ですか!?まさか、例の……≫

「……はぁはぁはぁ。………あぁ、心配…ない…ごはっ…よ」

≪ですが!智哉様の身体も限界に来ているのでしょう!?もう無理は……≫

「アイーシア!!」

オレは相棒の名前で一喝した。

それ以上は聞かずとも言いたかった事は頭に思い浮かぶから。

そして何より、それ以上暗に自分を責める様な物言いはして欲しくなかった。

≪………はい≫

少しは冷静になれたのか、小さい声でオレに返事を返した。

だが、まだ声は震えている。

だから先程張り上げた声とは打って変わって、優しく話し掛けた。

「……はぁはぁ。それは言わない約束だろ?それに言った筈だ。今オレがこうしてここにいられるのは、フェイトの傍にいる事が出来るのは、君と言う神様から授かった命があるからだって。」

≪………≫

アイーシアはオレの言葉を聞いて黙ってしまった。

自分の中で葛藤しているのだろう。

オレは続ける。

アイーシアにオレの事で辛い思いをして欲しくなかったから。

オレに命を与えた事を誇りに思って欲しいから。

「人は受けた恩は必ず返す。それはオレも同じだ。アイーシアは何も悪く無い。ただオレの寿命がもう少しだってだけなんだ。そして同時にアイーシアが今まで成し遂げられなかった目的を果たす事が出来る。嬉しい事じゃないか。少なくとも、オレは嬉しいよ?アイーシアが他の誰でもなく、オレを選んでくれたのだから。」

≪智哉様…≫

オレの名前を発したアイーシア。

その声は震えていた。

≪………本当に宜しいのですか?≫

「今もこの先もこの事で悩む必要は無いよ。この話はこれっきりだ、良いね?」

オレはキッパリ言った。

言い切った。

そうすることで、アイーシアもオレの気持ちが嘘ではない事を分かってくれると信じたから。

≪…はい、わかりました。≫

オレも笑顔で頷く。

洗面所を出て、恐らく既に全員集まっているであろう食堂に足を運んだ。















今、皆で売店に来ています。

旅行と言えばお土産。

と言う訳で沢山あるお土産を見て回っています。

私はふと、とある小物に目がいきました。

それはとても綺麗な細工が施してあるロケット。

ですが、今私が持っているお金では買うことが出来ません。

(……はぁ)

思わず溜め息が出てしまいます。

お金が無いので仕方ないのは分かっているのですが。

余りここに居ても他の人の迷惑になると思ったので私はその場を離れることにしました。

暫くの間、気晴らしに他のお土産を見て回っていました。

「フェイト」

お土産用のお菓子が並んでいる所を見ていると、智哉さんが声を掛けて来たんです。

「どうしたんですか?」

「ほい」

私に手渡して来たのは小さな紙袋でした。

「…え?」

私が智哉さんから受け取る理由が分からず混乱していると、

「良いから開けてみて」

そう言ってニコニコしています。

ニコニコしている理由がサッパリ分からない私。

この紙袋に何か変な物を仕掛けでもしたのでしょうか?

紙袋を持ったまま迷っていると、良いから良いからと急かして来ます。

「…これ、本当に私が開けても良いんですか?」

物凄く怪しかったので、ついつい聞き返してしまいました。

すると智哉さんは悪戯が成功するのを待ちわびている無邪気な子どもの様な顔で、

「フェイトの他に、誰にあげるんだい?」

そんな恥ずかしい事を平気で言うんです。

「………じゃあ」

恐る恐る紙袋を開ける私。

どうやら中にカエルやヘビみたいな物は入ってはいません。

変わりにと言っては失礼ですが、その中にはプレゼント用に包装されていた可愛い袋が更に入っていました。

その袋を取り出して、そっと開けてみました。

…………

出てきた物を見た瞬間、私は暫くの間固まってしまいました。

手には紛れも無く、私が欲しかったロケット。

そしてもう一つは中心には金色の宝石が埋め込まれている小さな十字架のペンダント。

「気に入ってくれたかな?」

「……あの……その、どうして…」

「色、気に入らなかった?フェイトに一番似合うと思って……」

「えと、そうじゃなくて…」

「ん?」

「……このロケット」

「欲しかったんだろ?」

「…!」

智哉さんに言われて、私は身体が反応してしまいました。

見られていたんでしょうか?

それ程ずっとその場にいたのでしょう。

「……本当に貰っても良いんですか?」

「フェイトにあげるために買ったんだけどな。」

ニコニコとした笑顔は崩さない智哉さん。

智哉さんにはホント敵いません。

「……智哉さん、本当にありがとうございます!」

笑顔で素直にお礼を言いました。

智哉さんも嬉しそう。

ですが、一つ疑問があったのです。

それは十字架のペンダント。

良く目を凝らして見れば中心の宝石には何かの術式が描かれていました。

「あの、智哉さん。この十字架のペンダントなんですけど…」

「あぁ、それか。ちょっとしたお守りだよ。まあ、それは他の子にも買ったんだけどね。…お、丁度良い所になのは達が。」

「あ、フェイトちゃんの持ってるそれ、ロケット?」

「それ、さっきお店で売ってた高いやつじゃない!?」

「綺麗な細工だったよね~!」

なのは達が話し掛けて来ました。

「うん、智哉さんが買ってくれたんだ!」

笑顔で返事をした私。

智哉さんも笑顔でなのは達にプレゼントを渡しました。

「フェイトみたいにロケットじゃないけどね。」

と言いながら。

三人共、私と同じ形をしたペンダントでしたが、中心の宝石の色がなのはは桜色、アリサは紅色、すずかは紫色と全員違っていました。

皆一緒に首に提げて智哉さんにお礼をしたのでした………。

























~後書き~

第17話アップ完了ですw

最近は伸び伸び書ける環境下にいるので、SSの更新が捗っていますw

さて、そろそろ急展開が待っている予感ww

18話をお楽しみに~w

2008年3月5日水曜日

<第16話 心と身体の休暇>

二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』














<第16話 心と身体の休暇>














今回、旅館に来た人数は合計14人。

予め予約して貰っていた部屋を見てオレは唖然としていた。

高町夫妻と恭也さんと忍さんが二人部屋なのは分かる。

だが、まだ二人部屋が二つも残っていたのだ。

「……あの、リンディさん。何故二人部屋が後二つも余ってるのです?」

オレは何となくではあるが理由が読めていたため、聞いたら聞いたで予想通りの答えが返ってくるのだろうと思いながらも、やはり聞かずにはいられなかった。

「ふふ。その様子だと、私の言いたい事は予想出来てそうですね。残り二部屋の内、一つはフェイトと智哉さん、もう一つはなのはさんと和麻さんの部屋よ。」

「………はぁ、やっぱり。だろうとは思ったんですけどね。」

予想通りの回答を戴いたオレは、つい溜め息が漏れてしまった。

当然、その様ないかにも嫌そうな態度を取ると、聞かれる言葉は一つしか無い訳で。

「喜んでくれると思っていたのですが。……フェイトと同じ部屋では嫌ですか?」

リンディさんから発せられた言葉は傍にいたフェイトも勿論聞こえている。

リンディさんはニヤけながらオレの顔を覗き込む様に見てくる。

オレの答えは一つしかないと分かっていても、リンディさんはしっかりオレの口から聞きたいと、その目で言っているのだ。

フェイトもフェイトでオレの顔を見上げているのだが、オレの口から発せられるのがイエスかノーなのか判らないようで不安を募らせていた。

心配性のフェイトだから、安心させてあげようと頭を撫でながら口を割る。

「いえいえ、寧ろ嬉しいですよ?………嬉しいんですが、オレなんかのためにわざわざ二人部屋の数を増やして支払うお金が余計増えてしまった事に何だか申し訳無くて。和麻はどう思ってるのか知りませんが、少なくともフェイトと二人きりにして頂いた事には感謝しますが、オレとフェイトの分は後でお返ししますので。」

「良いのよ~、そんな事気にしなくても。……フェイトの事を幸せにして戴けるなら。」

最初とは違い、傍にいるフェイトに聞こえないようにオレの耳元で囁くリンディさん。

『フェイトを幸せにするなら』

その言葉は小声であってもオレの心に十分過ぎるほどに響き渡った。

だが、それとこれとは別だ。

「フェイトを幸せにするのは当たり前ですが、今回のは話が別です。なので後ででも良いですから、きちんと受け取ってくださいね?」

小声で話すリンディさんにオレも小声でそうキッパリと答えた。

オレの話を聞いて、リンディさんは少し残念そうにしていましたが、これはオレのけじめでもあるので。

「全く……、そのくらい先に言っておけ。オレは知った時点で桃子さんに話して金は先払いしておいたんだぞ?お前は何時も行き当たりばったりな考えをしているからそうなんだ。こんな馬鹿はほっといて、行こうか、なのは。」

「一昨日知ったんだから仕方無いだろ。それにこういう事になるとは予想してなかったんだ……っておい!」

オレの言葉に和麻は聞く耳を持たず、なのはを連れてそのまま部屋へ行ってしまった。

まあ、何時もの事だから気にはしてないが、やはり少々腹が立つのは確か。

そんな状態のオレを何時も絶妙なタイミングで気を紛らわせてくれるのがフェイト。

「智哉さん。……あの、私達も行きましょうか。」

フェイトは何時もは絶対にしないような大胆な行動に出た。

オレの腕に抱きついて来たのだ。

恥ずかしがり屋なフェイトの顔は、思った通り赤くなっている。

本当に可愛いと思った。

だから……

「ありがとう、フェイト。」

優しく頭を撫でてあげた。

そして、そのまま一緒に部屋へ向かった。















「あの二人には幸せになって欲しいわね~。」

「ふふ、ホント中睦まじくて羨ましいわ~。」

リンディ、桃子は智哉とフェイトの後姿を見てそう話した。

「そうですね~。」

「何言ってるのよ、お母さんは何時もお父さんとラブラブじゃない。見てるこっちが恥ずかしくなる位。」

エイミィは二人と同様の意見。

しかし、桃子に突込みが入る。

美由希だ。

「良いじゃない、智哉さん達や和麻さん達にはまだまだ負けないわよ~?ねぇ、士郎さん?」

「ハハハ。お、そういえば彼は大学一年生なんですよね?」

「ええ、そうらしいですね。」

「じゃあ家の恭也と同い年な訳だ。どうだ、恭也。今回を機に色々話してみたら良いんじゃないか?」

「…そうだな、和麻も昔からの友だと言ってたしな。」

恭也に話を振る士郎。

智哉には興味がある様子の恭也だった。


















部屋に入って荷物を降ろした智哉さん。

「さて、フェイト。これからどうする?」

予定を何も考えていないので、私もどうしましょうかと答えました。

すると智哉さんはとんでもない事を言い出したんです。

「……じゃあ、一緒に温泉に入りに行こうか、フェイト。」

私は一時の間思考が止まってしまいました。

……智哉さんは今、一体何と言ったのでしょう?

ええと………

『一緒に温泉に入りに行こうか』

………………

刹那、顔が熱くなったのが分かりました。

今、物凄く真っ赤になっていることでしょう。

「ハハ、冗談だよ。それとも本気で考えたりした?」

智哉さんは笑いながら私をギュッと抱き締めてくれます。

怒りたいのに怒れません。

だって、智哉さんに抱き締められるととっても心が安らぐんです。

私が抱き締められると何も出来なくなってしまう事も智哉さん自身、分かっている訳で。

「……智哉さんの意地悪」

だから私は今この状態で精一杯の膨れ顔をして、いじけてみました。

でも智哉さんは私に構わず、

「…でもさっき言った事はいずれ必ずオレはやるよ?結婚した日からずっとね。」

耳元でこんな事を囁いて来たんです。

そして、私の反応を見ないまま先に入って来ると言って、出て行ってしまいました。

……もぅ。

茶化すだけ茶化して一人でさっさと出て行くなんて。

……………でも

本音を言うとさっきの言葉は凄く嬉しかった。

智哉さんに沢山愛情を注がれているんだなって、そしてそれはこの先もずっと続いてくれるんだなって。

私は暗にそう智哉さんが言ってくれている様な気がしたんです。

一人でそんな事を考えていると……

コンコンと、部屋をノックする音が聞こえました。

「フェイトちゃん、いる?」

なのはの声でした。

開けてあげると、アリサとすずかも一緒です。

持っている洗面道具から、皆で一緒に入りに行こうと言う事なのでしょう。

言われる前に、一緒に行こうって誘います。

準備自体はすぐに終わったので、皆揃って歩き出しました。
















オレは一足先に温泉に浸かっていた。

そこへ恭也さんが来て、

「隣、良いか?」

そう聞いてきた。

別段断る理由も無かったため、構いませんよと返事するオレ。

暫しの沈黙。

温泉が湧き出る音だけが響く。

そんな中、口を開いたのは恭也さんからだった。

「和麻と同い年なんだってな。」

「ええ、そうですね。」

聞かれた問いに、軽く返事を返す。

次に出てきた言葉が余りにも以外だったので驚きを隠せなかった。

「実は俺も同い年だ。智哉の事は和麻や妹から既に聞いている。だから、俺に敬語は使わなくて結構だよ。」

「………へ?!恭也さんってオレ達と同い年だったんスか!?」

思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

すると、聞き覚えのある声がオレを叱責する。

「ここは公共の場だぞ、静かに出来ないのかお前は。……隣、良いか恭也?」

「構わないが、今のは仕方無いと思うぞ?智哉は俺より年下だと思っていたみたいなんだからな。」

「だからと言って、公共の場で周囲に迷惑をかける行為は許される事では無い。大声は勿論そうだが、今の様な馬鹿丸出しの声が寧ろ周りに良く響く。」

和麻の遠慮しない非難にもオレは何時もの事だからと、恭也さんに苦笑しながら話す。

恭也さんは恭也さんで、しきりに敬語は必要無いとオレに指摘してくる。

言い慣れてしまったものを直すのは中々難しいものがある。

それこそ日常で週間になってしまった事をいきなり直そうとしている事と同じようなものだ。

それに、照れ臭いのもあるのだが、そこは心の内側に留めておく事にする。

「……本当に良いんスか?元に戻してくれって言われても無理ですよ?」

「ああ、構わない。それにもっと智哉とも親しくなりたいと思っていたしな。」

爽やかな笑顔で、それでいてハッキリと口にする恭也さん。

そこまで言われてしまったら、こちらもそうせざるを得ないだろう。

だから、と言う訳ではないが…………

「………じゃあ、改めて。宜しく、恭也。」

「こちらこそだ、智哉。」

オレ達は互いを認め合うかのように固い握手をした。















体を洗い終わって三人で露天風呂に浸かっていると、恭也が口を割る。

「二人ともこの後暇か?」

「残念だが、俺は仕事が残っていてな。」

「オレは別段無いからオーケー。」

先程までひたすら意識しながら話していたため、大分素の口調で恭也と喋れるようになってきた。

……にしてもだ。

入りに来る前に既に予定を立てているとは。

どこまでもコイツは堅物な奴だ。

それは昔からちっとも変わっていない。

その場のノリってものも少しは学ぶ必要があると思うのだが、どうだろう?

「この後卓球でもやろうかと考えているんだが。」

そんな事を考えていると恭也がこの後やる事を提案して来た。

その提案にオレは頷き、オレ達は風呂から上がった。















ラケットをフロントで借りて卓球専用の部屋に来た、オレと恭也。

卓球をするのなんて何時以来だろうか?

少なくとも半年は経っている。

だが、不思議な事にラケットを手に持つと自然と形になってくれるのだ。

一度見に沁みたものは忘れないってか。

「さて、まずはウォーミングアップと行こうか。」

「そうだな。」

オレはペン、恭也はシェイクをそれぞれ持ち、構える。

球は恭也が持ち、軽く打ち出す。

それをオレが拾い返す。

返した球を恭也が普通に返してくるとばかり思っていたオレが甘かった。

パシイイイィィィィィィイイイイイン!!!!!!!

何が起こったか一瞬分からなかった。

ただ、目の前には利き腕を顔が隠れるくらいまで上げていた恭也がいた。

目の前にいる恭也の格好。

先程の音。

そして、自分の足元を転がっている球。

それらを総合して考えた結果………

(……スマッシュか!?)

「……やってくれるな」

「ん?何か言ったか?」

恭也は挑発的な表情をしている。

フ……。

ここでその顔を歪ませる事が出来たら面白いと思わないか?

面白いよな!?

(良いぜ!その挑発、ノッてやるよ!!)

オレは転がっていた球を持ち直し、打ち出した。















暫くの間、オレは恭也に翻弄されていた。

少々感覚が戻るのに時間が掛かった。

だがもうお遊びは終わりだ。

「………さて、そろそろ本気で行こうか」

足元を転がっていた球を拾い、構える。

戻った感覚を研ぎ澄ませる。

球を手の平に乗せ、そのまま高く抛った。

自然落下してくる球を振りぬいた。

凄まじい回転がかかって恭也の台へ。

台で跳ねた所を返そうとしたのだろうが、それは叶わなかった。

オレが打った球は進行方向より90度程曲がっていたのだ。

恭也は曲がった球を反射的に捉えたが、指に当たり明後日の方向へ飛んでいってしまう。

「………ほう、やるな」

「そろそろ本気でやらないと、そっちも飽きるだろ?」

「そうでなくては面白くない!」

壮絶な戦いが幕を開けた………。















私達は温泉から上がって、アリサの提案で卓球をやる事になりました。

ラケットを借りて皆で卓球のある部屋へ行きます。

すると、先客がいるのか音が聞こえて来たんです。

中に入ってみると…………

「智哉さん!?」

「お兄ちゃん!?」

私となのはが智哉さんと恭也さんを見て同時に驚いてしまいました。

結構大きな声を上げてしまったと思ったのですが、二人は全くこちらに気付く様子がありません。

私達は呆然と見ていました。

二人の動きはまるでプロのようだったんです。

凄まじいラリーなのでしょうが、球が速過ぎて目が追い着きません。

刹那、

「貰ったああぁぁぁぁあああ!!!!」

智哉さんの雄叫びと共に球が台に叩き付けられた凄い音が響いたんです。

そして、恭也さんの後ろの壁に球が跳ね返る音と共に二人は動くのを止めました。

互いの顔をジッと睨み続けるのですが、暫くするとどちらからともなくいきなり笑い出したんです。

私達はただ不思議な顔をする事しか出来ません。

そんな時でした。

「アハハハハ…………ふぅ。どうだったフェイト?」

智哉さんが突然私に話を振って来たんです。

まるで私が見ていたのを知っていたかのように。

「え?」

いきなりだったので、何て言ったら良いか言葉が見つかりませんでした。

だからさっきみたいな返事しか出来なかったんです。

「え?じゃない。オレのスマッシュ見てただろ?。恭也の甘く入った球を逃さず一撃で仕留める!気持ち良かった~!」

智哉さんも恭也さんも先程温泉から上がって来たのでしょうが、既に汗だくになっているのが私達でも簡単に判ってしまいました。

余程白熱していたのでしょう。

そんな二人を見て、私もなのはもクスクスと笑ってしまいました。

「……フェイト?」

「なのは、どうしてそこで笑う?」

お二人はどうしてそこで笑うのかと聞いてきます。

それはそうでしょうね。

私もお二人と同じ状況だったらきっと同じ事を聞いているでしょうから。

だから、私はありのままを答えます。

「ふふ、お二人ともとっても良い顔をしていましたから。」

「そう、お兄ちゃんのそんな清々しい顔久々に見たような気がしたから。」

すると智哉さんも恭也さんも照れ臭そうにします。

お二人の照れている姿なんて初めて見たかも。

だからと言う訳ではありませんが、何時も智哉さんには意地悪されているのもあってか、仕返ししてみることにしました。

「その、今日の智哉さん、何だか凄く格好良かったです。」

私なりの精一杯。

口にした私自身も恥ずかしくなってしまったんですが、智哉さんもそれは同じようで。

「……ハハ、フェイトにそんな事言われたのは初めてかな。」

照れ臭そうにしながらも、口調は何時も通りでした。

ちょっぴり悔しいかも。

私だったら今の智哉さんみたいに振舞うのは絶対無理でしょう。

流石です、智哉さん。

「どうする、智哉。もう一度風呂に行くか?」

「そうだな、これ以上やると浴衣を絞らなきゃいけなくなりそうだし。……と言う訳だから、フェイト、なのは。後は皆でゆっくりやると良いよ。……あ、そうだ。オレが上がって来る前に部屋に戻りたいと思ったら困るだろうから鍵渡しておこうか。」

そう言って私に鍵を渡してくれた後、恭也さんと肩を並べて談笑しながら廊下に出て行きました。

そういえば、智哉さんと恭也さんは確か今日初めて顔を合わせたんじゃ?

そんな疑問が頭を過ったので、なのはに聞いてみることに。

「ねぇ、なのは」

「何、フェイトちゃん?」

「智哉さんと恭也さんって今日会ったばかりだよね?どうしてあんなに仲が良いの?」

「えっとね、実はお兄ちゃんと智哉さんって同い年なの。ほら、和麻さんは智哉さんと同い年だって言ってたでしょ?それでお兄ちゃんにも歳確認してみたら見事に同じだって言ってたの。」

「そうだったんだ。だから智哉さん、恭也さんに敬語使わなくなったんだね。」

「そういう事になるかな。」

私達はクスクスとまた笑い出していました。

そんな中、

「ちょっと!何笑ってるのよ!さっさと台につきなさい!」

アリサが私達を急かすように話し掛けて来ます。

私はラケットを手にしました。

先程の戦いを見て、少なくとも私は遊びでやる気にはなれませんでした。

だから、

「全力で行くよ、アリサ!」

そう言って手に力を籠めるのでした………。
















智哉達が温泉旅行へ行っている頃………

「管理局の管理を受けている、世界の書籍やデータが全て収められた……超巨大データベース。」

「幾つもの歴史が丸ごと詰まった、言うなれば世界の記憶を収めた場所。」

双子の使い魔がここ、管理局が誇る探せば出てこない物は無いと言われる無限書庫の簡単な説明をユーノにしていた。

「……とは言え、中身が殆ど未整理のまま。」

「ここでの探し物は大変だよ~?」

「本来なら、チームを組んで年単位で調査する場所なんだしね~。」

何人もの人を注ぎ込んでも年単位ではないと到底探す事が出来ない程の広さがユーノの目の前に広がっている。

「過去の歴史の調査は、僕等の一族の本業ですから。検索魔法も用意して来ましたし、大丈夫です。」

自信ありげに答えるユーノ。

「そっかぁ、君はスクライアの子だっけねぇ。」

「私もロッテも仕事があるし、ずっとって言うわけにもいかないけど……なるべく手伝うよ。」

「可愛い愛弟子、クロすけの頼みだしね~!」

宙に浮いていたロッテはヒョイと体勢を起こして言った。

話はこれくらいにして、とアリアが切り出し早速作業を開始したのだった………。




















~後書き~

16話でした~。

中々白熱しました。

つい最近、卓球の世界大会ありましたよね?

それで卓球ネタを入れてしまった訳ですww

余りにも長くなりそうだったので、今回は程々に抑えましたwww

旅館での話はもう少し続きますねww

2008年3月3日月曜日

<第15話 平穏>

二次創作SS『魔法少女リリカルなのは ~定められし運命~』















<第15話 平穏>

















ピピピピピピピ……………

電子音が無音の空間に響き渡る。

その電子音は和室から出ていた。

和室から電子音とは、何とも不釣合いな具合だ。

そんな不釣合いな音を奏でているのは、炬燵のテーブルの上にキーボードを乗せてひたすら何かを打ち続けているリンディだった。

映像を映し出し、どうやらレティ提督と会話をしながら作業をしている模様。

「こっちのデータは以上よ。お役に立ってる?」

レティがリンディに尋ねると、

「ええ、ありがとう。助かるわ。」

短い言葉だったが、リンディの感謝の意はレティには十分伝わったようだ。

「ねえ?今日はこっちに顔出すんでしょ?」

レティは話題を変えて話し掛ける。

「うん、アースラの件でね。」

「時間合わせて一緒に食事でもしようか?あの子の話とか聞きたいし。」

リンディの予定に合わせて、レティが久々にどうかと尋ねる。

「あの子って?」

リンディは心当たりが無いのだろう、レティにそう聞き返した。

「ほら、貴方がこの前養子にしたあの子。」

「ああ、フェイトね!」

思い出したように言葉を発するリンディだった。

「そう、フェイトちゃん!元気でやってる?」

フェイトの事を気にかけるレティ。

「うん。事件に付き合わせちゃってて、ちょっと申し訳ないんだけど……、仲良しの友達と一緒だし、何だか楽しそうにやってるわ。それに何より、フェイトには頼もしい彼氏…ううん、お婿さんがいるの。私が居たら二人の邪魔だって思ってしまう位仲睦まじいのよ。もう何だか見てるこっちが恥ずかしくなる位ね。お婿さんがフェイトの事をどんな時も気にかけてくれてるみたいで、私もすっごく助かってるし。」

リンディは嬉しくて仕方ないと言った表情でレティに話す。

「そのお婿さんって、この前急遽局に勧誘したって言ってた子?」

「そうなの~。智哉さんって言うんだけどね~。ホントもう何で今までこれ程までの逸材を局は見つけられなかったんだろうっていう位なのよ?局でも最強って言われてる和麻さんや煉さん、刹那さんの三人が模擬戦とは言え、束になっても敵わなかった程なんだから!」

興奮気味に話すリンディ。

「あの三人をまとめて相手をしても勝ってしまうなんて、本当に凄いわね!貴方がそこまで絶賛するのも分かる気がする。私も一度会ってみたいわ。今度フェイトちゃんと一緒に連れて来なさいよ。」

「そうね~。……それに彼、責任感が強すぎるのかフェイトの事は勿論なのだけど、全ての事に対して余りにも無茶を過ぎているようなの。………まるで何か自分の使命を全うしているかのように。だから私は、その辺の肩の荷を少しでも下ろしてあげられたらって思ってる。智哉さんは一応まだ学生さんだけど、機会があれば智哉さんも誘ってみるわ。」

そんなこんなで、レティとリンディのフェイトと智哉が話題の会話が繰り返されていた………。




















昼間だった。

オレは大学の授業をサボり調べ物をするためにランニングがてら少し遠い図書館、風芽丘図書館へ辿り着いた。

サボったのはオレの大学の教授の中で最も嫌いな部類に入るT教授の授業だったからだ。

あいつは最初に自分が課した課題に取り組んでいるオレ達の様子を見て、自分が納得いかないような取り組みをしている所を発見次第、一々文句をつけて来る。

更に、そんなのが授業を受けている生徒大半だった場合、真剣に取り組んでいる者の耳にも聞こえるくらい全員に色々注文を追加してくる始末。

質が悪いのも限度ってもんがある。

頭がどうかしてるとしか思えない。

まあ、そんな理由でオレはサボった訳だが、既に課題は終わらせていたため何も考えず出て来た。



















図書館自体、中に入ったのは久々だった。

このしんと静まった空間。

テーブルに何冊も分厚い本を積み上げて読み耽っている者も居れば、熱心にテキストと格闘している者もいれば、何を読もうかとあれこれ考えている者や暇を潰しているかのように肘をテーブルにつきながらパラパラと本を捲っているかのように見える者もいた。

嫌いではなかった。

本棚がズラリと並ぶ横を歩いていると、ふと目に入ったのは……………















車椅子の可愛らしい少女だった。

少女はしきりに手を伸ばしている。

が、本棚に届いていない。

伸ばしている手の先には間違い無く取りたい本があるのだろう。

しかしだ。

…何故誰も取ってあげようとしない?

誰か彼かの目には少なからず少女の姿が映った筈。

オレは少女に目を一瞬向けてから何事も無かったかのようにオレの横を通り過ぎて行く、性根が腐っている奴等を睨み付けた。

オレの睨みに気付いた奴等は足早に去って行く。

(世の中ってのは、たった一人の少女にも救いの手を差し伸べてやれない程に腐ってるんだな……)

そんな事を思いながらオレは少女に近づき、

少女の手の先にある本を取った。

「あ……」

少女から声が漏れた。

「この本で良いのか?」

微笑みながら一言声を掛ける。

「あ、ありがとうございますー!」

屈託の無い笑顔を向けられた。

少女の笑顔で、オレは自然とフェイトの笑顔を思い出してしまった。

フェイトと同じように温かく、包み込んでくれるような感覚だった。

「……あ、届かない場所にあった時は職員かその辺の誰かに頼んだ方が良いぞ?」

気が付くと、フェイトと同じように自然と少女の頭を撫でていた。

「……は、はい」

少女は顔を赤く染めて返事をした。

オレは自分の用事を済まそうと少女に背を向けて歩き出そうとした時だった。

「…あの!」

少女から声が掛かった。

「ん?どうした?」

振り返るオレ。

「あの……その…」

少女は何か言いたそうにモジモジしていたので、オレはそれを促すためなのもそうだが、少々意地悪をしたみたくなった。

「何だ、ジュースでも飲みたいのか?そうならそう言ってくれれば奢ってやるぞ?」

「ち、違いますー!……その、この本取って戴いたお礼に何か…」

「君のあの時の笑顔を見れただけで十分だ。」

自分でもクサい台詞だと思った。

少なくとも言った後にそう思った。

だが、自然と口から言葉が出てしまっていたのだ。

オレの言葉に少女はクスクス笑う。

「……仕方無いだろ、自然と口から出ちまったんだからな。」

愚痴のように漏らすと、少女の顔は一変して赤くなっていた。

今度はオレが笑う。

釣られて少女も笑ってしまう。

「……ふぅ。ま、自己紹介だな。オレの名前は神崎智哉。神社の神に長崎の崎って書いて神埼、んで知るの下に日で智、……哉は難しいな。裁縫の裁って字の衣が口なんだが……まあいいや、それで智哉。」

「神崎智哉さんゆーんですか。難しい名前ですねー。…あ、私ですね私は八神はやて言いますー。八の神書いて八神、名前は平仮名なんですよー。少し変でしょう?」

少し関西弁が入っている少女、はやては頬を赤らめて少し恥ずかしそうにしている。

「はやてか。良い名前じゃないか、優しそうで温かい風のような感じでオレは好きだ。……あ、それからオレに敬語は必要無いからな。楽にしてくれて構わないぞ。」

はやての頭を優しく撫でながらそう話す。

「………名前が好きとか、そないな風に言われたの初めてや。」

先程から更に顔が赤くなり、俯いてしまったはやて。

これ以上続けると恥ずかしさの余りはやてが声を出せなくなってしまうので、オレは話をサラッと変えてみる事にした。

「そういえば、はやては何時も一人なのか?」

今思い浮かんだ率直な疑問を投げ掛ける。

「ううん、そんなことない。ちゃんと家族が送り迎えしてくれとるからなー。安心してや?」

「そうか、なら安心だ………ってオレ調べ物に来たのにもうこんな時間か。」

「智哉さんが調べ物ですか?そんな風には見えんかったわー。」

はやては不思議そうな顔をしながらそんな事を言って、自分でクスクスと笑い出した。

「……そんなに笑わなくても良いだろ~?まあ良いや。ほい、オレの携帯のアドレス。」

「あ、はい。……っと、完了ですー。」

互いにアドレスを交換した後、オレはじゃあなと当初の目的を果たすべくその場を後にした。
















智哉がその場を去った後…………

智哉がその場を離れて直ぐにすずかがやって来て、一緒に智哉の後ろ姿を見ていたはやて。

そんな時だった。

「はやてちゃん!」

二人ははやてが呼ばれて振り向いた。

金髪の女性が図書館の中にも関わらず、慌ててはやてに駆け寄って来た。

「どないしたんや、シャマル?」

表情からはどこか焦っているように見えたはやてはそんなに慌ててどうしたんだと言う顔。

「あ、あの……さっきの人は?」

シャマルは恐る恐ると言った声で言葉を紡いだ。

「ああ、親切に私を助けてくれた優しくて、ちょい意地悪な面白いお兄さんや。」

智哉の時に見せた、屈託の無い笑顔。

その笑顔を見たシャマルは疑問に思った。

「…助けて…くれた?」

思っていた事が口から出てしまっていたのも気付かなかったシャマル。

はやてはシャマルが口にした言葉には気付かず、すずかと楽しく話している。

智哉の後姿を見ただけだが、それだけでシャマルは漆黒の騎士だと直ぐに判った。

魔力反応が全く無かった事が一瞬思考を戸惑わせたが、自分の魔力を隠す事など智哉ほどのレベルの騎士ならば造作も無いため、何かしらの方法を取っているのだろうという結論に直ぐ達した。

同時に智哉の力を実際に見たシャマルは体が自然と震えていた。

強大な力だった。

それも憎しみや仇などという憎悪に呑まれた力ではない。

純粋な力、大切な者を守るための力。

ベルカの騎士であるヴィータだけではなく、ヴォルケンリッターを束ねる将、シグナムをも打ち負かした程の実力者。

更には智哉と同じ程度の強さの者が他に三人もいる。

そして四人の後ろには管理局。

早急に事を運ばねば、という感情がシャマルを更に焦らせる。

(シグナム達に報告して、何とかしなきゃ……!)

自分の主の目の前でそう決意するシャマルだった……。




















「智哉さん、ちょっと良いですか?」

「ん?どうした、フェイト?」

智哉さんは課題をしながら私の言葉に反応してくれます。

「あの……明後日なんですけど……、その……温泉に行きませんか?」

私は恥ずかしさでモジモジしながらですが、何とか智哉さんに話すことが出来ました。

けれど、智哉さんからの返事は一向に返って来ません。

ふと、不安になった私は智哉さんの方を見上げると………

智哉さんは固まってました。

「……あの、智哉さん?」

一体どうしたのだろうかと思って声を掛けると、

「………フェイト、それはどういう意味で言ってるんだい?まさか、オレを誘ってるのか?その歳では流石にちょっと世間体ってもんが…」

智哉さんがぎこちなく椅子を回転させて私の方に向き直りました。

一瞬、私は智哉さんが何を言わんとしているのか判らなかったのですが、良く考えてみれば判る事で。

「ちちち、違います!け、決してそういう事では無くてですね!勘違いしないでくださいね!?」

もう言いたい事がしっかり口から出て来ない状態にまで陥ってしまっている私。

すると智哉さんは、

「……そっか、フェイトはオレとはそういう事したいとは思わないのか。そうだよな、フェイトが大人になった時にはオレはもう三十路だもんな……」

はぁ、と溜め息を吐き、とても残念そうな顔をしてそんな事を言って来るんです。

「え、えと、あの……違うんですよ?そ、そういう意味で言ったんでは無くてですね?あの、その、智哉さんにだけはちゃんと私の心も体も、隅々まで全部知って貰いたい…です…………あぅ」

最後まで言いかけて漸く自分が何を喋っていたのかに気付き、触らなくても頬が真っ赤になって熱くなってるのが判る程に恥ずかしくなって俯いてしまいました。

「……うぅ、女の子にこんな事言わせるなんて、智哉さん意地悪過ぎです…。」

プクッと頬を膨らまして言うと、私はプイッとソッポを向きました。

これでも私なりの智哉さんへの抵抗なんですから。

「………フェイト、ゴメン。今のフェイト可愛過ぎで止められそうにないわ。」

そう聞こえた時には私は智哉さんに抱き締められていました。

それに、何だか何時もと少し抱き締められ方が違う感じ。

この感じ、何て言うんだろう。

言葉で表すなら、すごくドキドキしてる、そんな感じ。

何時もの智哉さんなら、温かくて凄く落ち着くのに、今は全然違うんです。

智哉さんに抱き抱えられたまま、ボーっとしていると突然口が塞がれました。

「……!」

ビックリして視線を戻すと、目の前には智哉さんの顔。

(………私、今…智哉さんに、キス……されてるの……かな?)

そう考えられたのも束の間でした。

思考が蕩けそうになる感覚が私を襲います。

もう、何が何だか判らなくなってしまいました。

「ん……」

ただただ智哉さんのキスを受け入れる私。

それからどの位経ったのか分かりません。

どちらからともなく唇を離します。

「……ふぅ」

ずっとキスをしていたため、大きな息を吐きました。

「……ハハ、オレもダメだな。理性が保てないなんて。………フェイトが悪いんだぞ?オレの理性を簡単に吹き飛ばしてしまう位、可愛い仕草や表情をするから。」

智哉さんは苦笑しながら愚痴を漏らします。

そんな智哉さんを見て、私は思わず笑ってしまいました。

それと同時にまた一つ、智哉さんの他では絶対に見ることが出来ない仕草を見ることが出来て嬉しく思っている自分がそこにいるのでした……。












何だか一瞬の時の中で色々あり過ぎて、突然私は眠気に襲われてしまいました。

今、ベットの上で智哉さんに抱っこされた状態なため、温もりに触れて安心しきっているのも眠くなってしまった要因の一つなのでしょう。

「フェイト、眠くなった?だったら今日はここでこのまま寝ると良いよ。ずっと隣に、傍にいるからさ。」

私が眠たそうにしているのに気付いてくれた智哉さんは、そんな提案をしてくれたんです。

自分の部屋のベットまで行くことは眠気でフラフラしながらも何とか行けそうですけど、今日はと言うか今は智哉さんの傍を離れたくなかったので、智哉さんのお言葉に甘えちゃう事にしました。

「……はぁぃ。それじゃぁ、智哉さぁん、おやすみなさあぁぃ…」

意識が眠気で朦朧とする中で、智哉さんにお礼を兼ねておやすみのキスをしてからベットに転がりました。

智哉さんがどういった反応をしてくれたのか分からないまま、眠りについたのです………。


















そして…………

私達は束の間の休暇を取って温泉旅行に来ました。

メンバーは私と智哉さん、母さん、クロノにエイミィ。

なのはの家族皆さんと和麻さん。

アリサの家族とすずかの家族も来る予定だったんですが、二人の家族は仕事が忙しく来れないとの事で、アリサとすずか、すずかのお姉さんだけが参加する事に。

煉さんと刹那さんは外す事が出来ない局の仕事があるからと言って、今回は見送ったそうです。

車は合計三台。

一台は智哉さんが何時も乗っている車で、私とアリサ、すずかを乗せてくれました。

二台目は和麻さんの車で、なのはとハラオウン家が乗せて貰っています。

三台目はなのはの家族が乗っていて、他の車で積み切らなかった荷物も積んで貰っていました。












「ほほぉ……、立派な旅館だなぁ……」

智哉さんは着いてそうそう旅館を眺めると、感嘆の声を漏らしていました。

恐らく智哉さんではなくても必ず誰かは同じ様な感想を漏らしてしまう人が出てくるでしょう。

それだけ本当に立派な旅館だったんです。

「感激してる暇があったら、荷物を運べ。」

旅館をボーッと見上げている智哉さんに叱責する和麻さん。

その声で我に返ったのか、荷物をテキパキと旅館に運び始めました。

「あ、智哉さん。私のは大丈…」

「ん?気にしない、気にしない。オレの愛する可愛くてまだ幼い嫁の荷物はオレの荷物も同じだからな。」

私の荷物まで持って貰うのは何だか気が引けたんですが、智哉さんは私の荷物を軽々と持ちながらこんな所まで来て恥ずかしい言葉を平気で言っちゃうんです。

勿論、皆にしっかり聞かれている訳で。

私は恥ずかしさの余り、俯くしかありませんでした。

智哉さんは和麻さんや母さん、士郎さんにあれこれ言われているようでしたが知りません。












「フェイト、旅館に入らないのか?」

恥ずかしくて俯いていると、不意に智哉さんに声を掛けられました。

「…え?」

「皆もう先に入ってしまったぞ?さ、行こう?」

「…………もぅ、誰の所為でこんな事になったと思ってるん……?!」

突然塞がれてしまった唇。

途端に全身から力が奪われてしまう感覚がありました。

そして、それと同時に私の大好きな、大切な人の温もりが、愛が体の隅々まで行き渡るんです。

「………ふぅ、ご気分は優れましたか?」

「……もぅ。……キ、キスで誤魔化してもダメなんですからぁ。」

久々のお姫様抱っこを智哉さんにされて、そう言いながら智哉さんの服を掴んで胸元に顔を隠します。
顔を見られないようにするのが、今私に出来る最大の抵抗だったのでした。















智哉の働き振りを見ていた女性陣。

「なのはから聞いた通りの人だったわね!」

「性格は勿論、接しやすい感じがするわ。」

「アルバイトでも良いから翠屋で働いて貰えないかしら?」

「お母さん、和麻さんも暇を見つけては働いてくれてるじゃない。」

「人数は多い方が良いじゃない?」

「智哉さん本人に聞いてみないと分かりませんが、恐らく喜んで引き受けてくれると思いますよ?」

「それじゃあ、リンディさんから聞いて貰っても…」

「桃子さんからの方が効き目抜群だと思いますよ?それに、私よりもフェイトに言って貰った方がより効果覿面でしょうし。」

「「「なるほど~」」」

美由希、忍、桃子は揃って口にした。






















~後書き~

第15話アップ完了ww

良いペースで書けていたんですが、後半辺りで話を変えるのを思い出したお陰で結構書き直す羽目に………wwwww

15話の流れというか、話は少々続きます。